表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
72/310

望郷星72

「そうですね。身体には自律神経があり、人はその神経系統を表層意識で制御不能だし、精神には無意識なる視座がありますから、それを次元の違う多次元小宇宙と捉らえても私は差し支えないと考えているのです」と彼女は言った。

彼女が続ける。





「例えば人の心が多次元宇宙だとして、そこに時間が流れている部位と、流れていない部位があるとして、三次元的な人間の知では時間が流れている部位しか認識出来ないからこそ、フロイト式の精神分析が成り立つわけですよね」





新奇な論理に僕は愕然としつつ尋ねる。





「三次元的ではない時間が流れていない部位は認識不能だから、潜在意識や無意識の範疇に入るのですね?」





彼女が答える。





「私はそう捉らえています。ですから人間の心身は正に小宇宙であり、その心身を多次元宇宙と捉らえてもいいと思うのですよ」





僕はグラスを傾けてから息をつき言った。





「つまり人の心身を縦横無尽に平行して並んで存在している多次元宇宙は、人間の知覚能力では一部を除いて完全に認識不能だからこそ、人間の心身は小宇宙であり、精神に於ける無意識の部位に多次元宇宙の謎は潜み、謎は謎のまま正体を現さないという事ですか?」





酒で饒舌になっている分、理論立てを楽しみつつ彼女が答える。





「そうですね。身体には自律神経があり、人はその神経系統を表層意識で制御不能だし、精神には無意識なる視座がありますから、それを次元の違う多次元小宇宙と捉らえても私は差し支えないと考えているのです」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ