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望郷星52

「ならばお前は青い空を象った吊橋としての美しい俺のアガティスの葉の予言にもう一度蹴られて死ねば、愛しい母さんと一体化出来るぞ。そう思わないか?」と田村が言った。

静寂なる生死の狭間にに在って赤いカウンターを凝視しつつ酒を飲みながら僕は続ける。





「お前はビー玉として俺の身代わりとなり、俺のアガティスの予言としての石ころを蹴った人間なのだから、赤いカウンターを反射鏡にして、それを酒のように飲み、再度俺を蹴るチャンスを狙っているのだろう。だからお前は俺に焦るなと言っているのだ。違うのか?」




田村がビー玉として赤いカウンターの無形空間を左右に音もなく漂いながら言った。




「俺はアガティスの葉の奏でる美しい死を象った言葉を羅列して言葉遊びをしているに過ぎない。これは生死の白い狭間で酒を酌み交わす友への友情の証ではないか。その美しい言葉の宝石の滴りに憤りを覚えているお前は、俺から見ると滑稽にしか見えないぞ。違うのか?」





僕は酒を飲むビー玉として自分の心の中を苦悩し漂いながら答える。





「俺はアガティスの葉の予言に殺されず、多次元宇宙を母さんの慈しみと捉らえ、その慈しみと一体化したい。それだけの話しなのだ。文句をつけるな」





田村のビー玉が無形の空間を矛盾して物理的に転がりつつ笑い言った。





「ならばお前は青い空を象った吊橋としての美しい俺のアガティスの葉の予言にもう一度蹴られて死ねば、愛しい母さんと一体化出来るぞ。そう思わないか?」





僕は憤りを込めて論争を仕掛けて行く。




「そんなのは詭弁だ。有り得ない」

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