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望郷星45

「カオスの坩堝の中で、俺には見えないが、お前には見える同時多発的複合型未来像をお前は見たと言うのか?」と田村は僕に尋ねて来た。

僕は唸り声を上げ反論した。





「しかし田村、俺はあの灯台に行ったらアガティスの葉の予言通り誰かに蹴られてしまうかもしれないのだ」




小刻みに震えている田村が怪訝な顔付きして言った。





「お前は何を根拠も無い事を言っているのだ。訳が分からない事を言うんじゃない」





僕は息苦しさを堪えつつ言った。





「俺はお前には見えない未来像を多分見たと思うのだ」





田村がしばし黙考してから尋ねて来る。





「カオスの坩堝の中で、俺には見えないが、お前には見える同時多発的複合型未来像をお前は見たと言うのか?」




僕は頷き答える。





「そうだ。俺とお前はくすんだ色のビー玉となり、あの灯台に閉じ込められ、俺はアガティスの葉の予言通り蹴られるのを恐怖したのだ」





田村が辛そうに落胆して肩を落としてから言った。





「ならばあの灯台には入らず、迂回して吊橋を目指そう。それしか脱出の道はないしな」





僕はここで疑問符を差し挟んだ。





「必然性に逆らってそんな事出来るのかな?」





田村が断言する。





「やり抜くしかあるまい」

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