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望郷星39

「カオスの坩堝に在って全てが不確実性の中にあるならば、俺達は余りにも甘かったのかもしれないな」と田村は言った。

不気味な静寂が立ち込める中、来た道を振り返ると違う道になっていて、再び正面を向き直ると、又違う林道が広がっている。





そんな中、パラソルはおろかビー玉も見つからない極めて不穏な状態が続いている。




衰弱が進み、僕は全身の脱力感を感じ、背筋に悪寒が走るままに田村に告げる。





「駄目だ。もう歩けない。ここで少し休もう」




田村が辛そうに顔をしかめ答える。





「分かった」




僕等二人は対座するように座り込み、お互い小刻みに震えながら当面の対策を練る。




田村が言った。





「カオスの坩堝に在って全てが不確実性の中にあるならば、俺達は余りにも甘かったのかもしれないな」





僕は目眩がするのを堪えながら尋ねる。





「それはどういう意味だ?」




田村が喘ぎ息苦しさを呼吸法で紛らわしつつ答える。





「この後俺達は意識を失い倒れて瞑想装置もどきに変貌するという目測も誤った目測になるのかもしれないという事だ」





僕は田村を急かすように促す。





「何が言いたいのだ。はっきりと言え?」





田村が身震いしてから答える。





「俺達は瞑想装置もどきにもなれず息絶える可能性もあると言う事だ」

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