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望郷星38

「確かにそれは的を射た言葉だと思うが、だがこの緊迫した状況下で、無力な俺達に一体何が出来ると言うのだ?」と田村は言った。

どうしても突破口としてのパラソルが見出だせないまま僕は両手で膝を抱えてから嘆息し訴えた。





「田村、カオスの坩堝に在って、時空間軸が歪み切ったこの空間では、あらゆる経験則が無効になる事を鑑みると、パラソルのキーワードさえも無効になるのではないか、違うか?」





田村が眉間を指で挟み込み、動揺するのを自制しつつ言った。





「しかし入口には確かにビー玉が有ったではないか?」





僕は息苦しさを堪えて答える。





「いや、だからその言葉もあくまでも過去の経験値に基づいた言葉であり、それはこの状況下では既に通用しない経験則となっているのではないのか?」





田村が唸り声を上げてから言った。





「確かにそれは的を射た言葉だと思うが、だがこの緊迫した状況下で、無力な俺達に一体何が出来ると言うのだ?」




僕は露骨に顔をしかめ言った。





「パラソルを探す事だけだ」




田村が身体の不調を隠すように恭しく頷き言った。





「ならば、倒れる前にパラソルを見付け出すしかあるまい」





僕は青ざめた顔をして不承不承答えた。




「分かった…」

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