望郷星35
「いや、瞑想装置はカオスの坩堝の中で未来を読む事は出来ないが、同じ多次元宇宙カオスの坩堝の中でワームホールを同時多発的にバイアスさせて複合型として機能誘導させる事は出来るのだなと、俺は考えたのだ」と僕は言った。
青いビー玉を見付け僕達は迷路に入った。
その途端成美ちゃんの奇声とも言える悲鳴が聞こえ、それに続くように巨木の幹が二本へし折られ、スローモーション画像のように音もなく倒れて行った。
それを見て田村が冷静に言った。
「どうやら成美ちゃんは瞑想装置の力を獲得しつつあるようだ。これは厄介な話しになって来たな…」
その言葉を聞いて、僕は息苦しさを吐き出すようにけだるく言った。
「あのワームホールの鮫の牙は成美ちゃんのものだったのか…」
田村がだるそうに肩を落としてから言った。
「何だそれは一体どういう意味なんだ?」
僕は答える。
「瞑想装置に成りかけている成美ちゃんの力がワームホールを誘導して鮫の牙のように機能させる事は出来るのだろう、田村?」
田村が頷き答える。
「それは瞑想装置に匹敵するならば出来るだろうな。それがどうかしたか?」
僕は首を振り答える。
「いや、瞑想装置はカオスの坩堝の中で未来を読む事は出来ないが、同じ多次元宇宙カオスの坩堝の中でワームホールを同時多発的にバイアスさせて複合型として機能誘導させる事は出来るのだなと、俺は考えたのだ」
田村が答える。
「それはそうだ。瞑想装置の力は強大で侮れないからな。そんなの当たり前だろう」




