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望郷星34

「人間など多次元宇宙の時空間に在っては塵芥にもならないからな」と田村は言った。

灯台を迂回し、眼下に広がる海を見下ろした時点で僕は身体がだるく重い症状になったのを自覚して、田村に同じような症状があるのかどうかを確認すると、田村が答えた。





「俺も同じだ。全身の細胞が劣化して重くてだるくなるんだ。そしてこの症状はもっと行進して行くのは間違いない事実だから、早く村瀬と成美ちゃんを探し、救出しよう」





僕は記憶が混乱しているままに訝り尋ねる。




「おい、ここには村瀬もいるのか?」





田村が当然だという感じで答える。





「そんなの当然だ。成美ちゃんがいる傍に村瀬ありじゃないか」




僕はけだるさを抜くように息を吐き出し質問した。




「田村、多次元宇宙の空間に在っては、時間軸も過去現在未来を含めてバラバラとなり、その真理が広範囲に及ぶのか?」




田村が僕と同じように不調なので顔をしかめつつ答える。





「それも当然だろう。同時多発的に無限大なる複合型多次元宇宙の時空間は動いていて、それに伴い、時間軸も三次元的な動き方をしていないのは当然だろう」





僕はため息をついてから言った。





「人間の感覚の感じられる限界を遥かに超えているのが多次元宇宙の時空間なのか?」





田村な重そうな足取りで歩き出しつつ答える。





「そんなの当然だ。人間など多次元宇宙の時空間に在っては塵芥にもならないからな」

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