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望郷星310

「村瀬から成美ちゃんの心を奪還しよう。行くぞ!」と僕は田村と共に閃光プラズマの巣に向かって突き進んだ。

遠くでスパークする閃光プラズマを凝視しながら田村が言った。





「しかし村瀬は真正の悪魔なのに、成美ちゃんは愛して止まないのだな。まるで成美ちゃんの恋はあのプラズマの如く熱く燃え上がっているようだ」




僕はしみじみと答える。





「火に焼かれる恋か…」





間を置き田村が言った。





「でも考えるに憐れだよな。火に焼かれても実らぬ恋ならば、火に焼かれる意味とはなんだろうか…」




僕は言った。





「命の炎を燃やすと言う意味合いはあるだろう。相手を己の命の炎で焼き殺し、己の命も滅ぼして行ってしまうような」





田村が言った。





「バーニングラブか…」




僕は成美ちゃんへの慕情を押し殺しておもむろに言った。





「あの閃光プラズマに焼かれてみようか」





田村が眉をひそめ訝る。





「焼かれてどうするのだ?」




僕は心眼の丹田部位に正体不明の謎の印が結ぶようなもどかしい感覚を覚え、物静かに言った。





「焼かれて瞑想装置の完成体になる事を期して、返す手で村瀬を倒し…」





「村瀬を倒してどうするのだ?」





僕は思いをふっ切るように言い切った。




「村瀬から成美ちゃんの心を奪還しよう。行くぞ、田村!」





僕が田村の手を握り締めて引っ張ると、田村が恭しく頷き言った。





「こうなれば、ままよ…」





謎の印が結ばれて行くのを感じながら、無数の閃光プラズマが交錯しひしめく巣に向かって僕らは突き進んで行き、僕は泣き笑いの顔付きをして田村に向かって叫んだ。





「田村手を放すなよ!」





田村が答えた。





「お前も手を放すなよ!」





そのまま僕らは閃光プラズマの交錯する巣に突入して行き、その眼を打つまばゆい炎に位相変換して丹田を焼かれ、印が完全に結ばれて行くのを感じ取り、僕は唇を結び至福の笑みを漏らした。

命の炎を燃やすような、とにかく独自性溢れる作品を順次描きたいと思い描き出したのは良いが、命の炎を燃やせば病気の私は死んでしまうわけで(笑)そんな煩悩苦悩塗炭の苦しみの末に(笑)何とか完結を迎えました。通読有り難うございましたm(__)m

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