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望郷星31

「未来を予測する事と、目の前にある現象を見破る事は別物だし、俺は瞑想装置ではなく不完全な人間存在だし今は複雑に入り組んだ複合型時間概念の未来など読む術すら無いわけだ」と田村は言った。

僕は息をつき田村に忠告した。





「俺が先に狂って良かったのかもしれないな。あの森に成美ちゃんを助ける為に入っていたら、お前が先に狂い、俺とも敵対し成美ちゃんを追い掛けていた事になるかもしれないしな…」




田村が答える。





「その予測はつかないと思う」




僕は疑問符を投げかける。





「何故だ?」





田村が神妙な顔付きをしてから答える。





「同一、あるいは離反を繰り返す同時多発的な時間軸の概念は単一としての複合型だから予測する事は不可能だからだ」





僕は反論した。





「でもお前はその同一離反性時間軸概念があるのを見破ったではないか。それは予想がつく証明にならないのか?」





田村が首を小刻みに振り答える。





「それはならない」





「何故だ?」





表情に苦悩を顕わにし田村が答える。





「未来を予測する事と、目の前にある現象を見破る事は別物だし、俺は瞑想装置ではなく不完全な人間存在だし今は複雑に入り組んだ複合型時間概念の未来など読む術すら無いわけだ」





僕は嘆息して言った。




「全て元の木阿弥という事か?」





田村が落胆しつつ答える。





「その通りだ」

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