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望郷星308

僕はそれを悟り急激に寂しさを感じ取り、いたたまれず、母さんに会うために二階の母さんの寝室に行くと、パソコンを睨んで子育ての項目を検索している母さんも全く同じ状態であり、僕はそのいたたまれない寂寥感に涙した瞬間、田村と手を繋いだまま、夢見の同時多発的望郷遡航へと戻って行った。

僕は元いた故郷への帰還を望郷感に託し、強く念じた。




すると僕の心眼は元いた故郷の分身の頭頂に張り付き、分身が赤ちゃんをあやす幸せな光景を目の当たりにした。




傍らにいる妻が言った。





「おむつかしら?」




僕の分身がおむつを指差し答える。




「ああ、そうだね。おむつが濡れているみたいだ」





「貴方変えて。私はミルク作るから」





「分かった」





僕はこの幸せに満ち溢れた会話を聞きながら悟った。



二人には僕の心眼としての姿が全く見えてはいない事を。




それに加えて僕が夢見の望郷遡航で村瀬の悪夢を塗り替えた結果、僕の分身には明瞭な欠如分があり、村瀬の犯した一連の事件をも無化忘却しており、連鎖的に妻も同じ状態である事を悟った。





僕はそれを悟り急激に寂しさを感じ取り、いたたまれず、母さんに会うために二階の母さんの寝室に行くと、パソコンを睨んで子育ての項目を検索している母さんも全く同じ状態であり、僕はそのいたたまれない寂寥感に涙した瞬間、田村と手を繋いだまま、夢見の同時多発的望郷遡航へと戻って行った。

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