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望郷星293

「本当にそれでもいいのか。掛け替えの無い家族を失うのだぞ?」と僕は堂々巡りの自問自答を繰り返して行く。

「それこそ不毛な理論ではないか。それは現在進行中の瞑想装置もどきの唯々であり、村瀬の格好の餌食ではないか」





「ならば尋ねるが、現在進行中の瞑想装置もどきとして、魔境を逸脱して、この夢見の瞑想を成し遂げ、人間の心を残し、瞑想装置としての残忍性が抜ける保証でもあるのか?」




「それは無いだろう」





「ならば瞑想装置になろうがなるまいが、いずれにしろ破滅が待ち受けているならば瞑想装置になる意味合いは無いではないか?」





「だが瞑想装置になるべく踏み出さなければ、妻や母さんは助からないのならば、瞑想装置になるべく賭けに出るしかあるまい?」





「それは余りにも危険過ぎる賭けだろう。違うか?」




「だが踏み出さなければ、何も始まらないではないか。違うか?」




「田村の言葉通りこの夢見の瞑想を成し遂げ、魔境を抜けて、人間としての慈愛を失わず瞑想装置になるべく計るしかあるまい」





「いや、だからそれは余りにも危険過ぎる賭けだと俺は言っているのだ」





「危険過ぎる賭けでもやるしか道が無いのならば、その道を極めるしか無いではないか?」





「破滅が待っている賭けなど賭けにもなるまい。違うか?」





「破滅覚悟で、意気地を以って賭けに出るしか無いではないか!」





「本当にそれでもいいのか。掛け替えの無い家族を失うのだぞ?」





ここで僕は絶句し暫し沈思した後言った。





「己の本来的な望みを探るべく瞑想を為しながら、より良い方法を模索するしかあるまい」

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