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望郷星266
「私は成美ちゃんの分身であり、それはつまり私は成美ちゃん自身である証明だから、話しは別だと思うのよ」と妻は言った。
僕は言った。
「その論法だとお前よりは母さんの方が狙われ易いと言う事か?」
隣の居間で寝ている母さんを気遣いつつ妻が答える。
「そうね。でもこれはあくまでも可能性だから、絶対と言うのは無いと思うのよ。但し成美ちゃんが…」
思慮している妻が言葉を切ったので僕は続きを促した。
「但し成美ちゃんが?」
妻が答える。
「但し成美ちゃんが貴方の言う瞑想装置の完成体になっていたなら、話しは別だと思うのよ」
僕は尋ねた。
「何故だ?」
妻が熟慮の本に答える。
「私が成美ちゃんである事を例え自覚していなくても、私は成美ちゃんの分身であり、それはつまり私は成美ちゃん自身である証明だから、話しは別だと思うのよ」




