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望郷星261

僕は走って切れた息を調えてから母さんを労う感じでリビングルームに並んで入り、ソファーに腰掛けて妻に取り急ぎ電話をかけた。

僕は走って切れた息を調えてから母さんを労う感じでリビングルームに並んで入り、ソファーに腰掛けて妻に取り急ぎ電話をかけた。





妻が出たので僕は口早に用件を切り出した。





「今日は急遽母さんの家に泊まる事になったから、すぐに母さんの家に来てよ。うん、うん、タクシー拾ってすぐに来てよ、待っているからさ、よろしく」




僕が電話を切るなり母さんが目くじらを立てて言った。





「あんた薮から棒過ぎないかい。私はあんた達が今日泊まるなんて聞いてないよ」




僕は咄嗟に弁解した。





「だから家の奴は身重だし、今住んでいるマンションじゃ手狭なのさ、母さん、だから暫く泊めてよ、母さんお願いだからさ?」





母さんが再度首を傾げ言った。





「あんたのマンションは確か2LDkだろ。狭いから泊めてくれとは理屈に叶っていないじゃないか。馬鹿息子」




僕は遮二無二に自分の意見を押し通しにかかった。





「とにかく俺は女房が身重だから母さんにも世話して欲しいから、暫く泊めてよ、母さん頼む」





母さんが息をつき合点が行かないと言った調子で首を傾げてから不承不承答えた。





「分かったよ、とりあえず今日は泊まって行きな。但しずっとは勘弁しておくれよ。あんた方の新婚熱に当たってくらくらするのは御免被りたいからね、分かった」





僕は即答した。





「分かったよ、母さん、有り難う」

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