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望郷星26

すると僕はそのまま暗黒の宇宙空間を漂うワームホールの捩曲がった時計の眼となり、自己憐憫しているピエロさながらに笑い転げ、その笑い声に僕は思わず耳を塞ぎ喚いた。

成美ちゃんとの会話を終えた直後僕の心の時間軸がゆらりと揺れ僕は立ち止まり独り言を呟いた。




「母さんのパラソルとはどんなパラソルなんだ…」





この疑問符が口をついて出た途端、僕の目の前に捩曲がった超現実的な時計が現れ、それがそのまま倒れて来る地割れとしての巨木となり、僕は思わず脳しょうがひしゃげるように顔を背け、その巨木をよけてしまった。





すると僕はそのまま暗黒の宇宙空間を漂うワームホールの捩曲がった時計の眼となり、自己憐憫しているピエロさながらに笑い転げ、その笑い声に僕は思わず耳を塞ぎ喚いた。





「笑うな、田村!」




すると僕としての田村が言った。





「俺は笑ってなどいないぞ」





僕は僕としての分裂した田村の心の細胞にパラソルの鈴の音の捩れ飛行して行く蝶を見付け再度喚いた。





「笑うな、田村!」





「俺は笑ってなどいないぞ」





その声を聞いて僕は泣き笑いの表情を作り、再度迷路を母さんのパラソルの鈴の呼び声を求めて走り出した。

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