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望郷星257

「だからお前達から大切な人を一人ずつ奪って行く、それだけの話しよ。後念を押すがお前達は未来永劫瞑想する事を封じたから、それも一緒に心するのだな。馬鹿め」と僕としての村瀬が僕の脳裏で言い放った。

瞑想を為す僕の脳裏にもう一人の村瀬としての僕が現れ言った。





「この惑星に田村はいないぞ。そしてお前の周囲から大切な人を一人ずつ虱潰しに消して行ってやるから有り難く思え」





そう言い村瀬がけたたましく哄笑したので、僕は反射的に怒鳴った。




「田村がいないと言うのはどういう意味だ、村瀬!」





村瀬が答える。





「そのままよ。但し田村もお前と同じようにお前のいなくなった惑星で甦り、大切な人を一人ずつ失う憂き目に会っているのだが、その別れは永遠なる離別である事を心するのだな」





僕は動揺し喪失感と悲しみと歎きのままに狂おしく叫んだ。




「村瀬、貴様俺達に何をしたのだ!」




村瀬が冷静そのものの口調で再度言い放った。





「だからお前達から大切な人を一人ずつ奪って行く、それだけの話しよ。後念を押すがお前達は未来永劫瞑想する事を封じたから、それも一緒に心するのだな。馬鹿め」





僕は泣きながら声を限りに怒鳴った。





「嘘を言うな、村瀬。俺は今こうして瞑想を成しているではないか。ふざけた事を言うな、村瀬!」





村瀬が事もなげに言った。





「これが最後の瞑想だから俺との会話を楽しめばいいさ」

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