表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
248/310

望郷星248

「血を見て殺し合い、片方が死んだら、殺した者は自害すればいいと思う」と田村は言った。

僕は固唾を飲み込み言った。





「おい、殺し合うって、本当に殺し合うのか?」





田村がしんどそうに答える。





「本当に殺し合わないと、点は位相転位しないだろう。言わば吊橋からのジャンプと同じ理屈で死中に活を見出だすわけだ」





僕は再度固唾を飲み、改まった口調で尋ねた。





「血を見て、本当に殺し合うのか?」





田村が喘ぐ息遣いのままに言い切る。





「血を見て殺し合い、片方が死んだら、殺した者は自害すればいいと思う」





僕はやり切れない顔付きをしてから言った。





「だったら吊橋を見付けて、吊橋からジャンプすればいいじゃないか?」




田村が首を振り再度言い切る。





「時間が無いのだ。そんな悠長な真似をしていたら、俺もお前も衰弱死して共倒れになってしまうからな」





僕は泣き笑いの顔をして言った。




「しかし殺し合うにしても、こんなよぼよぼ状態じゃ止めすら刺せないではないか?」





田村が眉をひそめ喘ぐ息を調えてから言った。





「渾身の力を出し切って殺し合うしか無い。そして返す手で自害するしか無い」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ