望郷星245
その言葉を田村が言った直後宇宙空間になど在る筈が無い透明な床が現れ、僕らの足がその床を踏みしだいた瞬間、床は抜けて、僕と田村は真空で落下などする由もないのに、上方に足から落ちているのに同時多発的に頭から落ちるという次元の狂った矛盾落下をしてから、位相転位して行った。
僕は田村の指示に従い瞑想を為して宇宙空間へと陽神を飛ばし、そこで本体たる肉体から陽神の方に意識を移し、村瀬の存在を感知すべく感覚を研ぎ澄まし索敵した。
するとまばゆく光る恒星の一つが、そのまま僕の方に近寄って来て、まるでその光景を見詰める遠近感が狂ったように、そのままの大きさで迫り出して来て、青白く光るビー玉となり、回転しながら滴り落ちる光りとなって分解し、消失した後、再び集積するように田村に姿を変えた。
その田村が漂いながら言った。
「よし、これで戦闘態勢は出来たな。後は村瀬の出現を待つとしよう」
その言葉を田村が言った直後宇宙空間になど在る筈が無い透明な床が現れ、僕らの足がその床を踏みしだいた瞬間、床は抜けて、僕と田村は真空で落下などする由もないのに、上方に足から落ちているのに同時多発的に頭から落ちるという次元の狂った矛盾落下をしてから、位相転位して行った。




