望郷星24
「そう、過去の道を通っても、帰りは未来の道を通っているから、迷う迷路なのよ。それと透明な化け物の襲来に気をつけてね」と通信瞑想しつつ成美ちゃんは僕に告げた。
突然成美ちゃんが僕に通信瞑想して来た。
「助けて、お願いよ!」
僕は立ち止まり心の中で尋ね返した。
「成美ちゃん今何処にいるのだ?」
成美ちゃんが答える。
「追われているの、田村さんに」
僕はここで通信瞑想の相手が本当に成美ちゃん本人なのかを調べる為に尋ねる。
「成美ちゃん、成美ちゃんを追跡している田村は何と言って成美ちゃんを追跡しているのだ?」
成美ちゃんが答える。
「ぶっ殺すと叫びながら執念深く追いかけて来ているわ」
僕は頷き答える。
「分かった。それで成美ちゃん今何処にいるのか正確に教えてくれないか?」
「海の沖に一枚岩が見える砂浜の近くの雑木林に隠れているの。ただ貴方がいる森は狂った時間が作り出している迷路だから、慎重に私を捜す必要があるのよ。この意味分かるかしら?」
僕は答える。
「迷路だから迷わないように気をつけて捜せという意味だよね、成美ちゃん?」
成美ちゃんが金属音のような叫び声を上げてから息を切らして答える。
「そう、過去の道を通っても、帰りは未来の道を通っているから、迷う迷路なのよ。それと透明な化け物の襲来に気をつけてね」
僕は頷き答える。
「分かった、成美ちゃん、そこを動かないで待っていてくれ」




