望郷星239
「お前は陽神と肉体の同時多発性は今でも克明に体感出来るよな?」と田村が尋ねて来た。
僕は舌打ちを一度為し言った。
「二元論世界に在って、善悪も裏表の表裏一体の唯々ならば、俺と村瀬の違いと言うのは同一無いと言うのが定理になり、俺が表層意識で善であると思い込めば思い込む程に、悪に陥る羽目になるのならば、俺が常識的にしっかりと意識を保つ行いと言うのは、二元論の法則に則れば逆効果になる可能性もあるな?」
田村が頷き言った。
「だから瞑想装置へのステップアップを視野に入れた深層瞑想を深め、その瞑想状態のままクリアに自他の境界線を保つしか方法は無いだろう」
僕は訝り尋ねた。
「クリアーというのはどんな状態の事なのだ?」
「お前は陽神と肉体の同時多発性は今でも克明に体感出来るよな?」
間を置き僕は頷き答えた。
「最初の時程では無いが今でもそれは克明にある」
田村が続けた。
「それが自他の境界線をクリアーに識別する手段だと思う。そしてその延長線上に複数としての単数理論が重なり、あまねく宇宙に点在している分身達を一点集約的に感じ取れる瞑想装置の完成体へのステップアップが待っていると俺は思うのだ」
僕は再度尋ねた。
「その感覚をクリアーにすれば村瀬と俺の境界線もクリアーになると言う事だな?」
田村がしきりに頷き答えた。
「そうだ」




