望郷星237
「そこら辺は村瀬と成美ちゃんの絆の塩梅、さじ加減の問題に収斂されて行くだろうな。とにかくここはカオスの坩堝だから何でも有りの状況には変わりなく油断大敵だろう」と田村は警戒を促した。
僕は田村に尋ねた。
「成美ちゃんの声も村瀬の撹乱としての演出なのか?」
田村が考える間を置き答える。
「こちらを撹乱させる意味合いでは演出とも言えるが、しかし多次元宇宙の最果てまで届いている成美ちゃんの声を演出する必要性と言うか意味合いがあるかどうかを考えると、そうでないとも言えるしな。そこら辺は明確には答えられないな、俺には」
僕は突っ込んだ質問をぶつけた。
「つまり、成美ちゃんを怖れて遠くに逃げての、遠隔攻撃という可能性もあるわけだな?」
田村が頷き答えた。
「卑劣な手だからな。その可能性は大いに有り得るだろう」
それを聞いて僕は意気込んだ。
「こそこそやっている攻撃ならば、俺にも十分勝ち目はあると言う事か?」
田村が息をつき、首を小刻みに振って答えた。
「油断大敵だろう」
僕は再度尋ねた。
「成美ちゃんと村瀬がつるんで攻撃を仕掛けている可能性はどうだろう、あるかな?」
田村が薄目で熟慮してから答えた。
「そこら辺は村瀬と成美ちゃんの絆の塩梅、さじ加減の問題に収斂されて行くだろうな。とにかくここはカオスの坩堝だから何でも有りの状況には変わりなく油断大敵だろう」




