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望郷星23

瞑想装置もどきになれば、田村に対する友情も失わずに済むし、逆に透明体の化け物に対する恐怖感は薄れるからだと僕は考えた。

身体のだるさが抜けて来た。





走る事も出来る。





体調が復調するのは、明らかに瞑想装置への回帰であり、その分田村に対する憎悪が煮えたぎるのを感じる。





この憎悪は唯我独尊たる瞑想装置が他の瞑想装置を理屈抜きに毛嫌いする証拠と言えよう。





だがと、僕は考える。




友情を貫くならば田村に対する憎悪は極めて理不尽なものだろう。




ここで再認識をすれば僕は瞑想装置の完成体に変貌出来ない中途半端な瞑想装置もどきなのだ。





しかしこの場面ではその瞑想装置もどきが的を射た存在である事は間違いないと僕は考える。





何故ならば。





瞑想装置もどきになれば、田村に対する友情も失わずに済むし、逆に透明体の化け物に対する恐怖感は薄れるからだ。





後は必要以上に燃え上がる田村に対する憎悪感を心の内側で制御すれば良いだけの話しとなる。





僕は立ち止まり耳を澄ました。





近くで成美ちゃんの悲鳴が聞こえ、それに連動して田村の雄叫びが聞こえたので、僕はダッシュして、その声のする方角に足を向けた途端、目の前の巨木が万力のような力でへし折られ、真っ逆さまに僕の頭上に折れた幹が倒れて来たのだが、僕はそれをいともたやすくすり抜けて、敵たる田村を求め再びダッシュした。

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