表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
211/310

望郷星211

そんなよもやまの事柄をおもんばかりつつ、僕は次の戦いに備え、ひとしきり武者震いを成して、肩を迫り出すように息をついた。

田村の推論は半ば当たり、半ば外れている。




僕には欠如分が確かにある。





これは取りも直さず僕は一元論と二元論を兼ね備えてはいない証明であり、それがそのまま欠如分として帰納しているのならば、田村の推論は的を射てはいない帰結となる。




つまり僕はその欠如分が在る限り一元論的存在には成り得ないのだ。




時間が流れている二元論的概念世界で、僕には絶対的な欠如分があり、その帰結として先を読む事は出来ない。





だからこそ、その絶対性が無いから僕は常時不安にかられるのだ。





暗中模索は不安をもたらす。




増してや僕は母さんの命を敵に人質に取られている身でもある。





正に四面楚歌、四方八方壁だけが立ち塞がっている孤立無援状態と言える。





その上村瀬には弱点すらない。





敵に対抗出来るのは僕の母さんに対する慈しみと、何が何でも親孝行したいという意向と気概だけだ。




そんなよもやまの事柄をおもんばかりつつ、僕は次の戦いに備え、ひとしきり武者震いを成して、肩を迫り出すように息をついた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ