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望郷星210

「後はお前自身の心の問題ではないか」と田村は突き放すように言った。

間を置き田村が僕に尋ねて来た。




「村瀬が怖いのか?」





僕は正直に答えた。





「それは怖いさ。村瀬だけではなく、このカオスの坩堝たる世界には常に対立概念があるではないか。改めて言うまでもないが成功の裏腹には必ず対立概念としての失敗があるし、俺は不完全な分先は読めない脆弱なる人間存在だしな。怖くないと言ったら嘘になってしまうだろう」




田村が瞼を伏せ柔和に微笑み言った。




「何度も言うが、この局面は何くそっと意気地を以ってやり抜くしかないではないか」




僕は言った。





「そんなのは分かっている。分かっているが、不安で不安で仕方ないのだ」





田村が言った。





「その想念はカオスの坩堝では現実化してしまうから禁物ではないのか」





田村の言葉に僕は小刻みに震えつつ言った。





「それも分かっているが、不安を隠せないのだから、どうしようもないではないか」




田村が息を吐き出し突き放すように言った。





「後はお前自身の心の問題ではないか」

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