望郷星207
「つまり在るが無いの哲学的思弁に則り、俺達は人間存在の死生観の失せた一元論永遠遡航性を転位増殖をしつつも、人間存在の限りあるはかなくも美しい哀愁を帯びた慈愛を、その複合的同時多発的増殖を図って転位を続けているならば、俺達は人間存在の二元論的慈悲と言うか限りある哀愁をも内包した愛を、一元論に持ち込み同時多発的に拡散永遠遡航させていると言う図式か?」と僕は尋ねた。
田村が言った。
「推論として、俺達がしているであろうこのカオスの坩堝に転位して、お前が図っている永遠の増殖は、お前の言う限りある命の中で燃え上がる愛の増殖を行っているのかもしれないな」
僕は頷き言った。
「つまり転位を繰り返し、人間存在の限りある命の中で喜怒哀楽を孕んだ慈愛を、この惑星のような、全ての二元論的概念を孕んだ望郷星に託して転位し、その永遠増殖を図っていると言う事か?」
田村が無機質に相槌を打ち答える。
「逆説をものして、相矛盾するが一元論的人間存在としての限りある慈愛の満ちた望郷位相を強化盤石にするべく、俺達は転位を繰り返して永遠を増殖永遠遡航させているのかもしれないと言う事だ」
僕は成る程と言った感じで頷き言った。
「つまり在るが無いの哲学的思弁に則り、俺達は人間存在の死生観の失せた一元論永遠遡航性を転位増殖をしつつも、人間存在の限りあるはかなくも美しい哀愁を帯びた慈愛を、その複合的同時多発的増殖を図って転位を続けているならば、俺達は人間存在の二元論的慈悲と言うか限りある哀愁をも内包した愛を、一元論に持ち込み同時多発的に拡散永遠遡航させていると言う図式か?」
「そうだ。欠如分があるから、あくまでも推論の域を出ないが、それがお前の標榜するユートピアの形ならば、お前は既に己の夢を実現化している公算も大きいと言う事だと思う」




