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望郷星196

「やむを得ないだろう。とにかく俺達に出来る事は自分の信じた信条たる道を貫くしかないではないか」と田村が言った。

その経緯を電話で田村に告げ田村の見解を仰ぐと、田村が熟慮する間を置いてから言った。





「その事に関しては、俺もお前と全く同じように忘却部分と言うか欠如分があるから明解にはコメント出来ないな…」





僕は電話に口を寄せて尋ねた。





「それはつまり欠如分が有って、完成された瞑想装置としての記憶と言うか、自覚が無いから、理解不能、分からないと言う事を言いたいわけだな?」





田村が答える。





「そうだ。その事情に関してはお前も俺と同じく理解不能で分からないから、俺の見解を求めて来たのだろう?」




「そうだ」




僕の答えを聞いて田村がおもむろに言った。





「それは完成された瞑想装置たる村瀬にしか言えない言葉であり、俺達はそれが事実なのか嘘なのか判断不能である分、今目の前に在る、在るがままの現実を信じて行動するしかないと思う」





僕は眉をひそめてから言った。





「だがそれではいたずらに混乱と苛立ちを招くだけではないか。違うか?」





田村が再度長い間を置いてから答えた。





「やむを得ないだろう。とにかく俺達に出来る事は自分の信じた信条たる道を貫くしかないではないか」





僕は息を吐き出し言った。





「そうだな。それしな道は無いな」

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