表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
191/310

望郷星191

「掌握が不完全ならば、まだ俺達に目はあると言う事か?」と僕は田村に尋ねた。

母さんに対する施術は良好なまま推移し、とりあえず終了してから、僕は田村と二人っきりになりおもむろに言った。




「村瀬はやはり俺達を弄び、愉しんでいる事は間違いないな。あいつがどこにいるのか特定さえも出来ないならば、もう俺達はお手上げ状態だな」





田村が眉をひそめ答える。




「あいつはカオスの坩堝の申し子のような存在であり、存在自体が思弁的な複数としての単数概念そのものであり、在るが無いという掴み所の無い存在だから、まず瞑想装置もどきの俺達には特定するのは無理だろう。だから、ここまで来たら俺達は力の限り行くところまで行くしか無いと俺は思う」





僕は無念の表情を顕にしてから尋ねた。





「死中に活を見出だす手は何か無いのだろうか?」





田村が答える。





「前にも言ったが、奴がカオスの坩堝たるこの時空間を完全に掌握制御しているのかどうかだけが問題となると思う」




僕は渋面を作りつつも恭しく頷き再度尋ねた。





「掌握が不完全ならば、まだ俺達に目はあると言う事か?」





田村が答える。





「そうだ。完全掌握していなければ何処かに綻びは必ずある筈だからな」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ