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望郷星188
村瀬の思念が否応なしに僕の脳しょうに流れ込んで来る。
社会及び家庭環境に打ちのめされ虐げられたその様々な場面光景が走馬灯のように甦り、深い怨みを形成し、その怨みが憎しみを増大させ、尽きせぬ破壊衝動に変貌して行く。
村瀬の思念が否応なしに僕の脳しょうに流れ込んで来る。
社会及び家庭環境に打ちのめされ虐げられたその様々な場面光景が走馬灯のように甦り、深い怨みを形成し、その怨みが憎しみを増大させ、尽きせぬ破壊衝動に変貌して行く。
僕は僕であるのと同時に田村であり村瀬なのだ。
その増幅された思念が瞑想装置としての残忍性を助長し攻撃衝動を増大させて行くその傍らで、僕は僕自身の母さんへの思慕を持て余し、泣き笑いの表情を浮かべつつも、押し寄せる破壊衝動に翻弄されている。
唐突に僕としての田村が高くジャンプして、鬱蒼と繁る森の中に飛び込んだのを、僕は己の戦意に狂喜し狂ったように笑い、跳躍して森に跳び込み追い掛けた。




