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望郷星181

「多分そう思う。と言うか、俺達瞑想装置もどき分身的陽神の細胞は、複数としての単数、或は同時多発的にあらゆる次元相を跨いでいる存在なのに、今の俺達は部分欠如していて、多次元を跨ぐ管理統轄を出来ていないからこそ、ここがどの次元相なのかも正確的確に把握出来ていないのかもしれないな」と田村が言った。

僕は異変に気がつき田村に言った。





「おい田村、成美ちゃんの悲鳴が聞こえないじゃないか?」




田村が立ち止まり座り込んでからため息をつき答える。





「ここはあの海浜公園に非ずの海浜公園なのかもしれないな…」





僕は不安にかられ尋ねた。





「それはどんな意味だ?」





「だから灯台と悲鳴が去勢されて、後は全く同じ海浜公園の迷路なのかもしれないし、違うのかもしれないと言う事だ…」





僕も田村に同調し座り込んでから再度尋ねた。





「それはどんな意味なんだ。具体的に言ってくれ?」





田村がひとしきりろうがい患者のように咳込んでから、喘ぐ息を調え答えた。



「全く同質だが、表裏一体の微妙に異質な世界であり、だからこそ悲鳴と灯台が無いと言う事だ」





「それではここは俺達が知っている海浜公園とは次元の違う世界なのか?」





田村が間を置いてから答えた。





「多分そう思う。と言うか、俺達瞑想装置もどき分身的陽神の細胞は、複数としての単数、或は同時多発的にあらゆる次元相を跨いでいる存在なのに、今の俺達は部分欠如していて、多次元を跨ぐ管理統轄を出来ていないからこそ、ここがどの次元相なのかも正確的確に把握出来ていないのかもしれないな」





僕は喘ぐように息をしながら尋ねた。





「ならばこの迷路は俺達の知っている迷路ではなく、異なる次元の迷路で脱出不可能な迷路と言う事か?」





田村が再度ため息をつき答えた。





「その可能性が高いと俺は思う」

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