表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/310

望郷星18

「俺には人の心を変える慈しみの力は無いが、人を思いやり、微力ながらも何とかしてやりたいという願望意志の力はあると思うのだ」と僕は言った。

田村が言った。





「俺がこんな事を言うのはお門違いだと思うのだが、あの悲鳴の主が成美ちゃんだと何故思うのだ?」




どす黒い海を見詰めたまま僕は答える。





「海浜公園の時もそうだったではないか。成美ちゃんは狂って迷路をさ迷っていたからな」





息を調え田村が反論する。





「だが、あの時も俺達は村瀬を愛する成美ちゃんを救出する事は出来なかったではないか。違うのか?」





僕は首を振り否定した。





「いや、成美ちゃんは最終的に正気を取り戻し愛する村瀬を追跡して行ったのだから、救出は出来たと俺は思っている」




田村が僕を眩しいものを見るように見遣り尋ねる。





「今度もお前は狂った成美ちゃんを正気に戻す事が出来る自信があるのか?」





僕は深呼吸してから頷き答えた。





「俺には人の心を変える慈しみの力は無いが、人を思いやり、微力ながらも何とかしてやりたいという願望意志の力はあると思うのだ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ