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望郷星175
「本当に大変ですね。生死を懸けた戦いですね…」と彼女はため息をつき言った。
彼女が言った。
「大丈夫ですか、又上の空になっていますよ。まるで別の世界に紛れこみ、そこから気をお母様に流し込んでいるように見えますよ」
僕はうろたえ脂汗を拭い答えた。
「いや、気功と言うのはそういう術ですから。ただ思い通りコントロール出来なくて」
母さんがそんな僕を労い言った。
「少し休んだらどうだい。顔面蒼白じゃないか?」
村瀬の熾烈な攻撃に晒されている事は口が裂けても言えないから、僕は頷き母さんの言い付けに従った。
「わかったよ、母さん、休んで仕切り直すわ」
彼女がため息をつき言った。
「本当に大変ですね。命懸けの戦いですね…」




