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望郷星170

「そうですね。眼に見えないミクロ世界の事ですから形而上、形而下全ての干渉が可能だと思います」と僕は答えた。

沈思熟慮吟味する間を置いてから彼女が尋ねて来た。





「ナノテクノロジーをも波の存在は無視して導き出された方程式の絶対値に誰もが酔いしれ、それ以上の可能性をなおざりにしているのが現状だし、あらゆる側面で利便性だけが持て囃され、物理科学自体が片手落ちで迷信オカルトを再生産しているのが現状の推移なのに、誰もそこには着目せず、逆にオカルト迷信は神秘業等に責任転嫁しているお粗末さですが、どうですか、この気功施術に副作用は存在するのでしょうか?」




僕は再度明言した。





「治療ではなく癒したる気功施術には副作用はありません。ただあるのは施術する者のミステイクだけですね」




彼女難しい顔付きをしてから尋ねた。





「ミステイクがさっきの実践ですね。具体的にその失敗例の詳細を話してくれますか?」




僕は今遭遇した実践面の失敗をより詳細に彼女に向かって説明すべく語り出した。




「僕は順を追って母さんの患部に手を当て、その患部の状態をレントゲンでは有りませんが心眼で垣間見ようとした刹那、僕自身の意識がガン細胞に吸い込まれ、不条理ですが意識が溺れて呼吸困難となり、それに合併するように僕の心眼に現れたガン細胞が、これが又しても意表を突き、僕の脳随をわしづかみにして激痛を感じ、卒倒して脳天を痛打したのが、僕の冒したミステイクの全容ですね」



彼女がいみじくも言った。





「ならばどうですか、人の意識は波に干渉出来ますが、ガン細胞の波が干渉を許さなかったり、粒を先行させてミステイクに陥らせると言う可能性も当然生き物だからありますよね?」





僕は頷き答えた。





「それは有り得ますね。と言うか他方第三者に依る干渉も当然あると思います」





彼女が眉をひそめ尋ねて来た。





「それは人間に限らず、あらゆる万物が干渉して来る可能性があると言う事ですか?」





僕は答えた。





「そうですね。眼に見えないミクロ世界の事ですから形而上、形而下全ての干渉が可能だと思います」

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