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望郷星166

そこで僕は瞼を閉ざし、心眼でガン細胞をイメージ喚起するべく息を止め、まさぐった。

母さんの寝室。





彼女が後見人のような形で見守る中、僕は母さんの気功施術を鋭意開始した。




気功は仙道の言わば枝に分岐した支流であり、ある意味同一視しても良く、僕は手かざしを仙道瞑想にも多用する。




僕は眼を閉じ、ベッドに横たわっている母さんの圧迫感のある患部に、15センチメートル程の間隔を開けつつ手を当てた。




そこで僕は瞼を閉ざし、心眼でガン細胞をイメージ喚起するべく息を止め、まさぐった。




するとひしめきうごめく多数のどす黒い粒が脳裡にイメージとして喚起し、それに僕の分身たる陽神が瞬く間に吸い込まれ、僕の陽神は真っ黒な水の中で、無数の黒い粒の、ひしめき合う圧力に振るいをかけられるように翻弄され、溺れて、悶え苦しみ呼吸困難となって行く。





そして同時に脳裡にあるガン細胞達のひしめき合うイメージが、僕の脳随をわしづかみにして、僕は後頭部に激痛を感じ取り、思わず絶叫を上げて、母さんの体から手を離し、のけ反るように後ろに倒れ込み、頭天を痛打して、再度絶叫を上げてしまった。




すると母さんもほぼ同時に痛みに絶叫を上げたので、僕は彼女に抱き起こされるような形で起き上がり、かぶりを振って気を取り直してから、母さんに向かって頭を下げ謝った。




「ごめん、母さん痛かったか?」




母さんが息も絶え絶えに答えた。





「ああ痛かったよ。あんた私に何をしたのだい?」





僕は脂汗を手の甲で拭い答えた。





「見付けたガン細胞を導引して押し出すつもりが、力不足で俺が貰ってしまい、激痛を感じて、押し返されてしまったんだ。ごめん、母さん」

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