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望郷星159
「気功は予防医学だからな。お前の母さんの病状が悪化する前に、お前が施術してみてはどうだ?」と田村は言った。
僕は言った。
「村瀬が俺の親孝行に嫉妬反発して、妨害工作をしているのは判明したが、成美ちゃんの本体は今何を思い、何をしようとしているのか、そのメッセージが全く伝わって来ないから、分身たる彼女との会話から、それを探り当てようとしているのだが、芳しい結果が得られていないと言うのが現状だな」
額の部位でチャクラを回しつつ田村が答える。
「俺も事あるごとに成美ちゃんへの通信瞑想を鋭意試みているのだが、音信不通の状況だな。しかし通信瞑想もお前の探り出しも、粘り強く行って行くしか手は無いだろう。ところでお前の母さんの具合はどうなのだ?」
僕は眉をひそめ言った。
「一進一退と言ったところだな」
田村が頷き少し間を置いてから言った。
「気功は予防医学だからな。お前の母さんの病状が悪化する前に、お前が施術してみてはどうだ?」
自信なさそうに僕は俯きつつ答えた。
「ああ、とりあえずやってみるわ」




