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望郷星157
「母さん、子供が出来たら男の子が女の子か、それを確かめる為にも長寿成功してよ」と僕は駄洒落を連発した。
母さんがいみじくも言った。
「まあ次は子供が早く出来るのを楽しみにして、余生を過ごすしかないわね」
僕は洒落交じりに冗談を連発した。
「止せーよ、母さん、子供なんかそんなに早く出来るものじゃないから、余勢を駆って母さん長生きしないと」
母さんがふんと鼻を鳴らし僕の駄洒落を一蹴した。
「つまらない駄洒落言っている暇が有ったら、早く子供の顔を私に見せるように余勢を駆って見なさいよ」
僕は一笑してから言った。
「だから第一弾ロケット成功が第二弾の成功に繋がる訳ではないじゃない、母さん?」
少しやつれた頬を揺らし母さんが笑った後言った。
「成功を祈るからね。早く成功してね」
母さんの駄洒落に僕は思わず吹きだし言った。
「母さん、子供が出来たら男の子か女の子か、それを確かめる為にも長寿成功してよ」
母さんが眼を細め愉快そうに言った。
「あいよ」




