表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
149/310

望郷星149

「でも粒と波は表裏一体一つのものですよね」と彼女は言った。

だが彼女が成美ちゃんの化身だった場合は話しが少なからず異なって来る。





成美ちゃんも瞑想装置に匹敵する力を有しているならば、そう簡単には村瀬の支配下には入らないだろう。





しかし僕の知っている成美ちゃんは村瀬に対して献身を惜しまない女性だ。





だから村瀬の命令に隷属してけして逆らったりはしない事も容易に推察は出来るが、ここに来て、話しは少なからず複雑化していると言ってよいだろう。





彼女は成美ちゃんとは全く違う顔をしているし、育った環境も異なり、考え方も別人の如く違う。





この差異も複数としての単数感覚を当て嵌め鋭意考える事は出来る。





複数としての別人も、単数としては成美ちゃんそのものであり、そこに複数としての単数感覚を当て嵌める事は矛盾を溶解させれば容易に措定出来るわけだ。




1+1=0のその0の中に成美ちゃんと彼女は混在しており、複数部分で別人であるのと、単数部分0では複合的に同時に同一人物ならば、彼女は成美ちゃん以外の何者ではないが、それと同時に別人であると言う永遠遡航が何処までもなされて行く。




そんな思弁を続行しながら僕は尋ねた。





「量子論の解釈問題に於ける波が僕で粒が貴女という可能性を措定して、僕が波ならば人間の貴女には永遠に正体不明、謎のままですよね?」





彼女が事もなげに即答した。





「でも粒と波は表裏一体一つのものですよね」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ