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望郷星146
「いえ、成美ちゃん絡みだと私の好奇心が失せるのですよ」と彼女は言った。
彼女が言った。
「でもその上の空が貴方のエスニックな魅力を倍増しているから、成美ちゃんの事さえ顔を出さなければ、ぜんぜん構わないのですがね」
僕はここで頓狂な質問をした。
「何が構わないのですか?」
彼女が首を傾げてから言った。
「その上の空が構わないと言ったのですよ。ただ一々成美ちゃん絡みでは私も面白くないし、不本意だという事です」
すかさず僕は尋ねた。
「やっぱり貴女は成美ちゃんにやきもちを妬いている?」
彼女が首を振り冷静な口調で答えた。
「いえ、成美ちゃん絡みだと私の好奇心が失せるのですよ」
僕は落胆して言った。
「そうですね。酒の席と言っても他の女性の事を考えて上の空と言うのは、相手に当然失礼ですよね。本当に申し訳ありませんでした」




