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望郷星142

そしてその恒星爆発を誘発させている点としてのワームホールは確かに一つしかないのに、同時に複数あるように見え、だからこそ同時多発的で、単数としての複数爆発を引き起こしている。

彼女としての村瀬がスクリーンを指差し言った。





「これからあのスクリーンに映る映像はお前にしか見えないものだが、映像の中で破壊を行使しているのはお前自身なのだ。よく見るがいい」





僕は身体の向きを変えスクリーンを凝視した。





広大なる宇宙空間が広がっている中、夥しい数の恒星が同時多発的に起爆し強烈なフレアを噴出して、次から次へと暗黒の点に飲まれ消滅して行っている。




そしてその恒星爆発を誘発させている点としてのワームホールは確かに一つしかないのに、同時に複数あるように見え、だからこそ同時多発的で、単数としての複数爆発を引き起こしている。





そしてそのフレアが余りにも眩しく眼を打つので、僕が眼を背けると村瀬が冷笑を頬に浮かべてから言った。





「どうだ、眩しいか。だが心配無いぞ。あのスクリーンに映っている映像はお前にしかその詳細は見えていないし、俺がコントロールして作り出したものでもない分、見る者に害は与えないからな」





僕は義憤を湛えて言った。





「俺は単数としての複数、複数としての単数感覚など備えてはいないぞ。俺は目の前にあるこの事象、事実しか見えないぞ」





村瀬が言った。





「だからそれがお前の身勝手な幻想としての錯覚なのだ。それを弁えろと俺は言っているのだ」

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