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望郷星123
「今度母さん病院に精密検査受けに行くのよ」と母さんは言った。
何時になく元気の無い母さんが弱音を吐いた。
「今度母さん病院に精密検査受けに行くのよ」
青天のへきれきとも言える母さんの告白を聞いて僕は驚き尋ねた。
「母さん、何処か悪いのか?」
母さんが頷き口早に告げて来た。
「最近身体が重くてだるいし、時々背中が刺すように痛むのよ。それで病院に行ったら精密検査と言う段取りになったのよ」
僕は固唾を飲み尋ねた。
「現段階では詳しい病名とかは分からないわけだ?」
母さんがため息をつき言った。
「そうなのよ。だから母さんも憂鬱なのよ。あんた今度病院行く時付き合ってくれる?」
僕は頬を引き攣らせ頷き答えた。
「分かった。付き合うよ、母さん」




