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望郷星118

この言葉を言った直後、僕の心に成美ちゃんの切なくも悲しい想いが関を切るようになだれ込み、それがどんどん膨れ上がって行き、僕は堪らず胸が一杯となり、熱い涙を一筋流して、それを手の甲で拭い言った。

彼女が続ける。





「ところで村瀬さんという人と成美ちゃんの関係と言うか縁はどうなのですか?」




水を飲みかなり頭が冴えて来たので、僕は明快に答えた。





「村瀬は成美ちゃんをないがしろにしていたから、成美ちゃんにとっては悲恋と言えますね」




「それじゃあ、二人に絆は無かったのですね?」





僕は頷き再度明快に答えた。





「そうですね」




彼女が首を傾げ言った。





「ならば貴方が成美ちゃんに取り入る隙は沢山有ったのではありませんか?」




僕は俯き憂いを湛え答えた。





「いえ、成美ちゃんの頭の中には村瀬に対する想いしかありませんから」





この言葉を言った直後、僕の心に成美ちゃんの切なくも悲しい想いが関を切るようになだれ込み、それがどんどん膨れ上がって行き、僕は堪らず胸が一杯となり、熱い涙を一筋流して、それを手の甲で拭い言った。





「すいません。眼にごみが入ったようです」




彼女が微笑み僕の涙を慈しむように言った。




「悔し涙の男泣きですか?」




僕は意地を張り否定した。





「いえ違います。眼にごみが入っただけです。すいません」

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