排水溝
静岡県某所。
大学に入り一人暮らし始めた。
生活も落ち着きだした六月の夜のことだった。
何気なく鏡を見ていて思った。
髪、長いな。
美容室は当然閉まっている。
気になったが最後、自分で切ることにした。
どうせなら風呂も済ませてしまおう。そう思い全裸になり、風呂場で髪を切った。
シャワーで入浴も済ませ、何気なく排水溝を見ると、たくさんの髪の毛が溜まっていた。
体を洗う前に取ればよかった。うんざりしながらも髪の毛を掴み、用意していたゴミ箱に捨てようとした。
途中で腕が止まった。
髪の毛が排水溝に引っ掛かった、そう思い。振り返った。
腕があった。
排水溝から伸びる真っ青な腕、その手が僕の髪の毛を引っ張っていた。
思わず僕は髪の毛から手を放した。
髪の毛ごと、腕は排水溝へと消えていった。
排水溝の蓋に動いた様子はない。
今僕は、引っ越しを考えている。
前回は自己紹介を忘れてました。
後ろです。よろしくどうぞ。
前書きに書くと雰囲気が壊れてしまうので後書きにて失礼します。
普段は転移ものを別名で連載してます。
よろしければそちらもどうぞ。
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