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一瞬、永遠。  作者: ゆある
3/6

変わらない 2

初めのうちは話しかけたくてべつに通らなくてもいいのにごめんね、ありがとう、とわざわざ後ろを通っていた




だけど、人は毎回のことに慣れる生き物だ




私が近づくと椅子を引いてくれるようになった




友達と盛り上がっている最中のことだから、ありがとう、なんて聞こえない




その時、悟った。


ああ、私、ここでも孤立したんだな。と



でも、悲しくはない。


慣れたから。



これが私の変えたくても変わらない日常なんだ







教室の後ろ側の出入口は人だかりができている




その全てが女子


しかも、キャピキャピ系の





スカートはパンツが見えてしまうのでは……と思うほど短い


髪の毛はいつもアイロンでクルクルさせて、目はラメでキラキラしていて唇は色がのっている



そういう人たちは、いくら先生に注意されても絶対に直さない



まあ、彼女たちはそれで楽しく学校に来ているのだからいいと思うけど



一体、朝何時に起きているのだろう。と心配してしまう







彼女たちの足の間から制服のズボンが見える



お眼鏡にとまる男の子がいたのだろう



ID教えてください〜!と実にかわいらしい声で連絡先をもらおうとしている




あそこを通ろうとするのは蜂の巣をつつくようなこと



行ったら一斉に鋭い視線に刺されてしまうだろう




方向転換をして前の出口に向かう



早くしないと午後の授業が始まってしまう




「ちょっとごめん通して」





後ろの出入口で女の子達が押し退けられる気配がする




あの子達を退かす猛者がいたなんて



ちょっとだけ気になって背中に意識を集中させる





「えーと……あ、いた」




声の主は、探しに来た人を見つけたようだ



良かった、と思う反面、探された人は大変そうだ



まだ出口をふさぐ彼女たちが、えー何で?とか、あいつかよって言っている



探しに来た人は用が済んだら自分の場所に戻るけど探された人はこの教室にいなければいけないから、蜂につつかれることだろう



大変そうだ、と少し同情してしまう





でも、所詮私には関係のないこと



冷たいって思われるかもしれないけど、そうじゃない



見えない分厚い壁で遮られた、外側の世界でしか生きられない私にはどうしてもわからない



わかりたくもないけどね



イライラする心をなだめ、大股で歩を進める



廊下まであと数歩






そんなところで二回、肩に重みがのった






読んで下さり、ありがとうございます!


引き続き、よろしくお願いします(*^-^*)

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