80.振り還り見て
草原の草の絨毯が、風圧で波を打って作っている。
第三世界、ルネサンセルが誇る、
大きな大きな鉄の大航空艦船。
それが今、章子の目の前にはそびえ立っていた。
「……お、大きい……っ」
これから一つになろうとしている新世界の空へと、
羽ばたこうとしている黒鋼の方舟。
高層ビルの何階ほどだろう……?
地球の日本で云えば……、
名古屋駅のツインタワービルぐらいだろうか……?
いや、それよりも、もっと遥かに高いような気がする……。
章子は行ったことはないが、東京の六本木ヒルズだろうか?
それともスカイツリー?
そんな高さをゆうに超える乗り物が本当にある……?
信じられないッ。
それほどの高さのビルや建物を超える大きさの船が、そのまま空に上がるのかもしれない事実。
もちろん、それは高さだけのことであり……、
正面から後方にかけての全長に至っては、どれほどあるだろう?
おそらく、
章子が、自宅から学校まで通っていた距離の長さは確実にあると思う。
たしか、その時の所要時間は徒歩で20分ほど……、
それだけの長さと高さを誇る乗り物があるのだッ!
銀色の……主翼のない、ほとんど金属製の飛行船といってもいい方舟の形状に近い……、
巨大な巨大な大航空艦。
「……彰が見たら……喜ぶだろうなぁ……」
章子の二歳下の弟、彰はこういう乗り物が大好きだった。
おそらく、はしゃぎ回って、
一日中、艦内の中を探検しまくるのだろう。
そんな姿が目に浮かぶ。
「気に入ったか?
ならば、部屋は特別、豪華な部屋を用意させて貰おう。
余程、親密な国家の外賓でもない限り許可されない部屋だ。
存分に、堪能していただきたい」
巨大な大航空艦が日差しを遮る涼しい巨影の中で、
凛々しく、そう言ったのは、深緑の軍服コートに身を包んだ、
金髪の少女だった。
背の高い、ウェーブがアクセント程にかかっていながら、
それでも清々しいほどのストレートでもある長い金髪の美少女。
体つきも凄まじいほど、雑誌モデルのように美しく細く優雅に主張している。
凛とした顔立ちも、細い首も、理想の胸も、
くびれた腰も、コート越しからでも分かる曲線美の尻も、スラッとした脚もッ!
全てが細く長く美しく、ズバリと透るッ。
こんな女性が……本当にいるのか……。
こんな女性が……本当に少女なのか……?
こんな女性が……本当に存在していていいのか……。
こんな女性の少女が、実際にいたとすれば、
やっぱりこの少女の様に似た白人という人種とは……、
全ての人種の憧れ的存在でも仕方ないのだろうなと、
人種差別を否定したい黄色人種の章子でさえも思ってしまうほどの圧倒的な存在感だった。
「……さすがに……、
そこまで食い入るように見られたのは初めてだな……。
そんなに私の容姿が気に入ったのか……?
これはきっと嫌味になってしまうのだろうが……?
私はきみの体の方がうらやましい……」
「あ、ハイ。それは嫌味ですね。
許せないですね。
ちょっと、黙っててもらえませんか。
そして、これからは、このわたしにずっーとッ!視姦されててください。
わたしの気が済むまで。
それは暴力ですよ?
あなたの存在自体が暴力なんです。
あなたはもう、生きてるだけで女の敵です。
人種差別の根源です。
その体は、女の嫉みの象徴でしかありませんから?
対象ではなく象徴ですよ。
排除されるべき敵対象です。
あなたに反論する権利はありません。
反論するなら太ってください。
体重も公開してください。
すべての醜悪なプライベートを晒け出してください。
あなたはスキャンダルにまみれるべきです。
男関係を全て吐きなさい。
記者に追われて下さい。もちろん、命の危険を感じない程度に追われて下さい。
そして泣きがなら、一般人に謝罪してください。
謝罪しても許しません。
私たち一般の市民はそれを絶対に許しません。
永遠に許さずに追い駆け続けますッ!
それ以上に、あなたは……うんぬん。
その体は……うんぬん……
………………etc」
「……この子は、壊れているのか?」
呆れて言う金髪の少女が、
壊れた機械人形のように単語の羅列を止めない章子の、
その背後で立つ真理に訊く。
「……ええ、壊れていますね。
あなたが壊してくれたのですよ?
カネル・ビサーレント?
我が主は、
あなたのその人外離れした女神体が心底、
自分が嫌になるぐらいに眩しいようだ」
こっちもこっちで、
人の領域を超えた清廉さを漂わせる綺麗なオカッパ頭の真理に言われて、
カネルと呼ばれた少女も不可解に首を傾げる。
「よくわからないのだが……、
要は、人というものは自分にないモノを、
常に他から求めることを本能にもつ、業の深い生き物だ。
という事がいいたいのか?」
「それでいいと思います。
……ちなみにあなたの現在の体重は……?」
「56kgだ。ついでに身長は177cm。
それの、どこに嫉む要素がある……?」
「……同じ……体重っ!?」
「あーっ、カネルっ、
あなたは我が主にトドメの一撃をさしてくれたっ!」
大げさに額に手を当てる真理に、カネルは胡散臭く視線を寄越す。
その様子を傍から見ていて、
やはりうんざりした感情をもっているのは本人たちだけではない。
「……いい加減、お前らのどっつき漫才に付き合うのは限界なんだが?」
赤い衣の地毛が茶髪の少年、
クベル・オルカノが割って入った。
場所は大航空艦に乗り込む乗降口階段の手前の芝生の剥げた広場だった。
そこに今は、
章子と真理とカネル、
オリルとトラと昇、
そして第二世界の許約者のいつもの三人組と、他に数名程度の人員が集まっている。
「わざわざのお見送り、ありがとうございます。
クベル・ファーチ・ヴライド」
「お前らの為に来たわけじゃない。真理人。
ぼくはお前の主とその主の下男になる男に挨拶しに来たんだよ」
「……その下男って、もしかしてぼくのことじゃないよね?」
「お前の事に決まってんだろ、昇。
お前、章子やオリルがいなくちゃ普段の生活なんて何も出来やしないじゃないか?
まったく、お前ってよくわからない人間だよな?」
クベルが昇をねめつけてやると、
すかさず真理がクベルに向く。
「……それで、第六に対する制裁は決まりましたか?」
真理の言葉に、
クベルもため息を吐いて、言う。
「あの残った兎と、ソイツラの主だとかいう女の処遇はとりあえず決まったな。
母国への送還という処置で話がつきそうだ。
ヤツラの武器……、兎の持ってたのは「扇」だったか?
あれを、くまなく調べて見たんだが目ぼしい「反応」はなかった。
よほど精巧に作られているらしい。
オレたちの解析魔術にも完全に反応しないッ。
お手上げだから返してやったよ。
あの武器、恐ろしいことに超長距離まで引き離しても、兎のヤツによる遠隔操作ができやがる。
没収しても、所持させたままでも同じって事だ。
幸い、兎の奴は大人しいもんだから助かったな。
ヤツラの主にさえ危害を加えなければ、こちらの求めには従順に応じてくれている」
「今回の主犯格についての捜査具合は……?」
「それも大よそは見当がついた。
新世界会議事件以降……、第一リ・クァミス側で一人だけ欠員が出ている。
名前はアワントス・クダリル。現在、行方不明だ。
成績は下の中。オリルとはあまり面識がないようだな?
オレたちもほぼノーマークだった。
なぜならソイツは……」
「あなたが一度、
その場の雰囲気で、仲間のリ・クァミス人たちの目の前で、
か弱いのをいいことに、
半殺しにして、
力任せに見せしめにし……、
心も身体も廃人寸前まで追い詰めましたからね……?」
クベルの過去の悪行の罪状に、真理は言葉で責める。
「後で過ちに気付いて、
慌てて謝れば、それで済むって、わけでもないことはよく分かっている。
オレにとっては、あの時のあれはアイツの挑発が原因だったと考えている。
おそらく演技だったんだろうっ。
今、思うならだッ!
その時は調子に乗ったバカなヤツだ。ぐらいにしか思っていなかったんだけどな?
今考えると、計算しつくされた罠だった可能性が大いにあるッ。
踊らされていたのはこっちだった……っ」
「見知らぬ文明との初接触時には、
特に気を付けておいたほうがいい。ということなのでしょう。
真理も、あなたを責めるつもりはない。
彼女の存在の該当は、こちらにとっても予想外だった。.
確認しましたが、
彼女の、それまでの生存活動履歴は平凡そのもの。
どこにも、我が母ゴウベンに辿り着く要素や素養、瞬間がまったくないッ!」
「アワントス・クダリルが、
すでにゴウベンというヤツに消されている可能性はどうだ?
スケープ・ゴート。
オレたち第二や、そこの先頭にいる女の第三の世界でも、この線は捨てきれないでいる」
「私もその可能性は、あり得なくはない……とは思いますがね……?」
言って、真理はチラリと昇を見る。
「あなたはどう思いますか?
半野木昇?」
真理が言うと、
自然と全ての視線がそこに集まった。
「うーん、きみのお母さん……。
つまりゴウベンの事なんだけど、あの人だったらそんな事はしないと思うよ?
理由は、そんな事をするぐらいなら最初から、
この惑星の住人としてわざわざ出現させる意味がないし、
わざわざ殺すためだったら最初から生まなきゃいいだけの話なんだから。
創造者っていう存在はね?
とくに物語なんかを創る創造主や造物主とかは、
自分が殺すために物を生むことは、まず無いんだよ。
他人に殺させるために物を生むことはあってもね?
自分が創った、創作物が気に入らなくて壊すことはあっても。
壊すために作る、
なんてことを前提にしてから、何かを作りだすことを始めるなんて人は、まず、いないでしょ?
プラモデルとかでも完成品を動かしていて次第に壊していくことはあるッ。
でも最初に壊すことを目的にして、造ろうとすることは、ほとんどないんだよ。
これは誰でも同じだ。
神は、物を消す時に、自分の手を汚すことはしない。
神は、自分の用意した物を、他の者の手によって破壊させていくことに心血を注ぐものだッ。
人は殺したいけれど、自分が手を下すことで罪には問われたくないっていう存在なんだよ。
そんな存在は、ぼくたちの人間の世界にだってごろごろいる。
よく、どこの国でも言ってるでしょ?
自分が武器を持つことは正当化する。
自分が他国を攻撃する事も正当化する。
そして実際に攻撃する。
さらに、その攻撃で出た被害の責任の全ては、敵対国に押し付けるッッ!
つまり、無罪で殺人をしたいんだよッ?
無実で人を殺したいんだッ!
好き放題におれが人を殺してもいいことを認めて、さらにそれを無実にもしろッ!とっ!
そんなワガママの極みを、全世界の全国家が言っているのが、この主張なんだよッ!
それが人間の本性であり本音なんだよね?
いったい何がしたいんだ?って思うよ?
武器は持ちたいわ。
攻撃はさせろ、だわ。
でもお前はこっちを攻撃するな、反撃するな、だわ。
その被害は、被害の出たおまえら側の責任だ、だわ。……って、
……お前?
そんな好き勝手、生きてて?
その先どうなるかわかってんの?って聞きたくなるよねッ?
おまえもそうなるよ?って話だよッ!
ま、きっと、そう言うヤツらは、その先を何も考えてないんだろうさ?
でなきゃ、そんなことをしようなんて考えやしないし出来やしないッ!
だって、
それは一度も『物を創ったことがないヤツ』の思考回路なんだからねッ?
いつも物を与えられているだけのヤツだけの思考回路なんだよ?
でも、
物を創ってるヤツは、そんな事は考えない。
物を創ってるヤツは、自分が壊してしまったモノは「元に戻そう」とするッ!
とくに気に入ってるやつほどね?
気に入らないヤツはそのままだ。
そのまま壊して捨ててしまう。
で?その気に入らないヤツを壊した残骸を見て、
また気に入るやつを新しく造りだそうとする。
物を創ってるヤツは、新しく造りだそうとするんだよッ。
これが俗にいう『創造神』と『破壊神』っていう分類だ。
創造神は創造を。
破壊神は文字通り、破壊を司る。
破壊と創造は表裏一体だ。
何かを生むときには何かを壊している時でもあるし、
何かを壊している時は何かを生み出している時でもある。
でも、ここで、
ある側面で決定的に、
「破壊」と「創造」では、全く違う性質が浮かび上がる事がある。
それが、「創造」をする時に出てくるんだッ!
創造する時には、必ず「複製する」という作業が絶対に入るからねッ!」
昇の断言に、周囲は思わず目を見張って静まり返る。
「ここが「破壊神」と「創造神」の大きな違いなんだッ!
創造神は、自分の創った作品を、念の為に複製する時があるんだよ!
でも、破壊神は普通、そんなことしないでしょ?
自分が壊そうと思ってる物をわざわざ複製なんてするッ?
しないよッ!
そして肝心の、
この惑星の神は、
幾つもの古代の時代の地球を複製して合成して……、
この転星を創り出したッ!
ゴウベンって人は、生粋の創造神なんだよッ!
そして創造神は……例えそれが自分の失敗作であっても、
複製が作れるときは、作ってしまうときがあるんだよね?」
昇の言葉が、神の深淵に辿り着こうとしている……。
「そして、あの人は……、
ぼくの複製は造らなかった……」
昇の言葉が、さらに周囲を衝撃させる。
「その理由は簡単だ。
それは、ぼくが「生みの親を恨む人間だった」からだっ。
ゴウベンは複製で生み出した『ぼく』に恨まれたくなかったんだよ……。
ぼくを複製として生み出せば……その「複製されたぼく」は確実に、複製された昇の生みの親でもある「自分」を恨んでくるだろう……てねっ?」
昇は、黙り込む周囲を見渡して言う。
「あの人は、根っからの『創造神』なんだよ……っ。
そりゃ、作る為に壊すようなことをする時はあるだろうけど……、
その時でも保存はとっておくんだろうね……?きっと?
これが破壊神だったら、物を破壊する時に保存なんてしないでしょ?
だから、あの人は……、
間違いなくッ!
この転星に対して、滅びる事を求めてはいないッ!
それよりも、もっと別の、『何か』を求めてるんだ、と……、
ぼくはそう思うワケなんだよね……?」
最後には笑って言う、昇の顔が、
周囲の人間には、飲み込むことができなかった。
あまりにもこの少年は……、
自分たちの住んでいる世界とは違い過ぎている……。
「昇……」
呟いて、赤いクベルが昇に氷の球を投げて渡す。
あの、水と氷を一度に凍らせた、マクスウェルの悪魔を召喚する、
内部でエントロピーが完全に止まった境界線がくっきりと残る、丸い氷の水晶球だった。
「ん?
うわっ、冷たいなぁっ、なんでこんなモノ渡してくるの?」
そう言って、
冷たい氷球を茫然と投げてきたクベルに、それを突き返す。
「オレたち、親友だよな?」
「ぼくと親友になる為の条件はもう言ってあるよね?
ぼくがきみを平気で裏切っても、それでもきみがぼくのことを親友だ、と思い続けられるかどうかだって?」
「お前がぼくの敵になっても、お前はぼくの友達だよ」
「うわっ、よくそんな恥ずかしいことが言えるねッ?
や、やだなぁっ、
なんかすごく恥ずかしくなってきたから、ぼくは先に艦に入ってるよ。
すみません。ビサーレントさん。
ぼく、先にあなたたちの艦の中に入っててもいいですか?」
「あ、ああ……」
空いた口を塞ぐことができずに、カネルが曖昧に相槌を打つ。
その言葉を確認して、
昇はありがとうございますと感謝して頷くと、
一人だけで真っ先に昇降階段を駆けあがって、大航空艦の艦底部にある艦橋の入り口へと入ってく。
「お前らに頼みがある……。
……あいつのこと、絶対に離すなよ。みんな……っ。
おれはまだ、お前らに付いていくことは出来ない。
ここをまだ離れる事ができないっ。
だから、おれがお前らに合流するまで……っ、
あいつのことを、絶対に離さないで掴まえておいてくれ……ッ、
頼むっ、」
ガラにもなく、
赤い少年のクベルが、章子たちに頭を下げて、お願い事をしている。
その振るえる手には氷球があった。
昇へ投げたのに、また投げ返された、
冷たい冷気を放つ野球のボールほどの氷の球。
内部の境界線が全くなくなっている、
氷と水のエントロピーが完全に一つになった、
ただの、ただ一つの純粋な氷の球だった。
「まさかとは思っていたが……っ、
絶対零度という変数や、時間経過はもちろん、
熱や温度も、何も使うこともなく、
やっぱりこれを本当にやりやがったッ!
もう分かるよな?
あいつは既に、おれたちの手の届かない所にいる。
あいつは既に、
氷と氷のエントロピーを氷点下の世界で一つにする事が出来ているッ!
それほどの力を持っているッ。
おれたち許約者は、覇都の遺産の一つだ。
水槍ペンティスラという、
おれたちの世界のどこにあるのかも知れないわからない槍とは別に用意された、
もう一つの可能性。
魔導。
おれたち第二世界の科学力は、摂理学だ。
おれたちの欠点は「原理学」が作れないこと。
古代から遺された超遺物を、
ただ接ぎ木して魔術として他へと広めているだけなんだよ。おれたちの世界はッ!
だから魔動と魔導と魔術の根源である許約者が消えたら、
それだけで、この第二世界は終わりだ。
そんな世界のオレたちでは、やっぱりあいつには追い付けない。
……だから、頼んでいいか?
あいつを絶対に……、
お前たちの手で、掴んだまま逃がさないでくれっ」
クベルが見上げてくる目を、
章子たちも受け取った。
確かに受け取って、頷いていた。
章子たちは、昇を失うわけにはいかない。
……だから、
それぞれが、
それぞれの進むべき道を見つめていた……。
……。
……さて?
では、この文をお読みになっている読者の皆さんへ、
お好みのエンディング曲の準備はいいだろうか?
出来るだけ前奏の長い曲がいい。
ほら、その音楽が流れ出したら、
章子たちもクベルたちに見送られて、
昇の後を追って階段を上っていく。
読者たちの用意した音楽のリスムに乗って、
章子たちが足早に、灰色の巨大な航空艦の中へと入って行く。
草原の大地と航空艦を繋ぐ、錨の鎖が引き上げられた。
巨大な鉄の船が周辺の大気圧を押し上げて、
大空へと舞い上がって行く。
章子たちは……、
きっと、
この新世界の先へ行く……。
もう我々では、見ることのできない、
新たな新世界が待っている大地へ……、
そこは太古の三番目の旧世界だが……、
きっとそこで巻き起こる出来事は、
集められた世界が一つなったことによる想像もできない新現象だろう……。
……では?
我々はどうする?
章子たちの未来から、
綺麗にこっそりと切り取られて、取り残されてしまった……、
この憐れな……、
現実の、
そちらにいる、
あなたたちは……、自分の「これから」をどうするのだろうか?
この虚構は、ここで終わる……。
しかし、
この我々の現実は、まだこの先も延々と続く……、
そんな無慈悲が、これからも続いていく……、
その
あなたに迫る、これからの未来を、
あなたは、これから、どうするのか?
呆然と立つばかりなのか?
ただ待っているだけなのか?
それとも、ゆっくりとでも動き出すのか?
はたまた?
もう二度と手に入れることはできない、
また過ぎ去った過去を、
まだ、いつまでも見上げているだけなのか……?
……そうだな?
取りあえず私は……?
今までの、この虚構の物語でも振り返ってみる事にでもしてみようか……?
おっと、
気が付けば、あの空を飛ぶ大きな鉄の船の中でも?
少年が、追い駆けてきた多彩な少女たちの姿を見つけると、
慌てて驚いて、仰天しながらも……、
今は……、
振り顧……みていた……。
CAST
咲川章子
神真理 カネル・ビサーレント
トラ オワシマス・オリル
クベル・オルカノ ジュエリン・イゴット・アリッサ
神落子 サナサ・ファブエッラ
アワントス・クダリル
アイファ・マリンシー ヒマイス・ロトキグフ
章子の母 章子の父
章子の弟 咲川彰
章子の幼馴染み 渡瀬達也
半野木兄貴 半野木要
半野木家の父親 半野木家の母親
獅子宮獅子座 ハリオン・マイヘイム
巨象宮巨象座 パオエブ・ガデッサ
海鯨宮海鯨座 ホエネロ・ナシロアガス
水魹宮水魹座 オウドビ・ゴマフトリ
瑞麟宮瑞麒座、キリフ・ジダルト
射馬宮射馬座、ケウロベ・サブデスタ
双鼠宮双鼠座、ジュヒチ・チーリス
十二獣宮座主、サンビカリア・エステス
処兎宮処兎座、ラピリ・ラブコイ
樹の許約者 ヨーゼ・モセフ
覇の許約者 ヘズル・エジデケリ
雷の許約者 カールトン・エイル
風の許約者 アオレ・ビュアレッキ
第一世界、
最高学府学領 シュアキ・マセリ
学頭 トマヲ・アラミ
リ・クァミス始祖 シモー・ハッセ(未登場)
第二世界、
空飛ぶ絨毯のおっちゃん。
その他、第一世界の皆さん、
第五世界の皆さん、
第二世界の皆さん。
無断で舞台として引用し出典した行為を以下の方々に謝罪します。
沖縄県の皆さん、
広島県の皆さん、
長崎県の皆さん、
福島県の皆さん、
岩手県の皆さん、
宮城県の皆さん、
愛知県の皆さん、
その他、
日本全国国民のみなさん
現在の地球の皆さん
ならびに、
現実の地球の皆さん。
誠に申し訳ありませんでした。
☆スペシャル短編感想サンクス☆
ロータスさん 電気イルカさん
制作スタッフ
ヨスベル・ニタリエル・ゴウベン
挫刹
脇役
半野木昇
―地球転星― 神の創りし新世界より
終




