72.円蝕
「……ふざ……けるなよッっっ!!!」
怒りで、
剣の柄をこれでもかと握りしめる少年が、さらに底なしの怒りを叫ぶ。
「ふざけんなよッ?
世界ッッ!!!
お前は、いつもそうだったッッッ!!!!
そうやってッッ!!!!!
いつもは自然の猛威だとかいって、
簡単に大規模な異常気象や自然災害かなんかで人間を飲み込むクセにッッッッ!!
今度は、そんなちっぽけな人間がちょっとでも地球を汚すと、
すぐに環境汚染だ公害だとかいって簡単に変質して弱りはじめるッッッ!!!
お前ッッッっっっ?
一体どっちなんだよッ?
人間の手には絶対に負えない超自然的な現象存在なのかッッ!
それともッッッ!!!
簡単に人間の手で滅びる奇跡な自然環境なのかよッッ???
一体、どっちなんだよッッ!!!!
俺はッ!
お前のそういう所が大ッキライだったッッッッ!!!!!
ある時は、人の手には負えない大いなる自然災害ッッ!!
しかしっ!
またある時はッ!
人の手で簡単に壊れて汚れていく掛け替えのない自然環境ッッッ!!!!!
ふざけんなよッッッッ???!!!!
お前っッッッ!!!
どっちか一方だけを選びとれよッッッッ!!!!
人の手にも負えない自然災害を起こすのならッッッっっっ!!!
人が少しぐらい捨てたモノぐらいで汚れたぐらいで、
簡単に地球の環境まで、盛大に破壊されて悪化させてんじゃねぇよォッッ!!!!!
逆に、
人間の垂れ流している汚れているモノで?
簡単に地球環境を壊されていくのならッッッ!!!!!
お前が起こす自然災害や異常気象も簡単に人の手の力で防げれるようにして置けよッッッ!!!!
ふざけんなよッ!
ふざけんなよッッ!
ふざけんなよッッッ?!!!!!」
そして昇は、
自分の剣を、物言わぬ『世界』に向かって突きつけるッッッッッッ!!!!!!!!!
「変わるなッッ!!!世界ッッッッ!!!!!」
昇は、更に宣言する。
「変わるなよ?世界ッッッ!!!!!
今から、ちっぽけな人間の子供のおれがお前に何をしても絶対に変わるなッッッッ!!!!!
これは命令だッッッッ!!!!!!!
たった、こんなちっぽけな中学二年の中坊がする事だッッッッ!!!
それでッッッ!
これから世界が、おれに何をされてもッッ!!
世界は、絶対に変わるなよッッッッ!!!!!!
変わったら許さないッッッッ!!!!
たった一人の子供のこんな行動なんかでッ!!!
雄大で壮大な世界は絶対に変わっちゃいけないんだッッッッ!!!!
行くぞっッッッ!!!!
落子ッッッッっっっっ!!!!!!!!!
これは命令だッッッッッッッっっっっ!!!!!!!!!」
昇が、
己の下女の名を以て、始めて令じて。
自分の構える剣の中で、二つの円を一つに蝕す……と。
0と0とが「一つの0」になる為の……、
……白と黒の二つの円が……闇夜に欠ける……。




