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―地球転星― 神の創りし新世界より  作者: 挫刹
第三章 「新世界の扉」(最終章)
71/82

69.だから「虚構」を始めよう……



 獅子が真上から振り下ろした斧の一撃を剣で受けて、

 昇は潰れそうなほど圧し掛かってくる重量の巨体を、力の限りに押し切って、

 遠く遠くへと弾き飛ばした。


 敵を押し飛ばした少年の剣が光を帯びて輝いて、弧線を描く。


「……ッぅ……」


 体のあちこちで走る痛みによって、

 口の端から垂れていた血が乾いて固まった声でうめいて反射的に仰け反る。


「……お前っ?」


 弾かれた獅子が空中で止まって昇を見た。

 服だけが無事に血と破れだらけな昇を見て、その様子を驚きでもって伺っている…。


「痛みが……あるのか……っ?」


 先程の自分と同じ?

 身体に傷がまったく無い状態で?

 痛みだけが刻み込まれる攻撃?


 それをわざわざ自分の中にも受けている?


 自分が敵に与えておいた傷の痛みは消しておいて?

 自分が敵から受けた傷の痛みはしっかりと、まだそこに残しているのかっ?


 ……な、何故だ!

 ……逆ではないのかッ?


 愕然と敵である子供が隠して抱えている矛盾を予測して、

 渋面を作ったままの静かな少年を驚異で窺う。


「……」


「喋らないのか?」


「……」


「それとも喋れないのか?」


 獅子が怪訝に見ても、

 ……昇はまだ……口を開かない。

 口を開かず、

 ただ黙って、

 気遣いの言葉さえ放とうとしている獅子にではなく、

 獅子とはまったく違う遠く離れた方角にいる黒い山羊たちの姿を、

 敵意でもって睨んでいる。

 

「ヤツらが気になるのか?

だが、まだ……我はお前の剣を持っているぞ?

話す気はないのか?」


 獅子が斧とは反対の手に持つ少年の国の対話の剣をこれ見よがしに見せつけても、

 少年は、まだ山羊たちから視線を離すことはしなかった。


 沈黙が、誰かの視線を動かす契機をつくる。


 黒い山羊が昇を見た。

 昇を見て、黒い両腕を無造作に広げて、鋭い抜き手で先を構える。

 

 それを見て、

 昇という少年も言葉を発した。


「……魔動マキス……ッ!」


 唱えた、ただの日本人の少年が、


 自分の声で、

 自分の意思で、


 今は、悲しみだけの空で……、

 今は、自由もない空で……、


 今の自分だけに残された……、

 答えを出す為の……、


 まだ遥か真理にも及ばない……、


 蒼い青い魔動を纏う。







《読者様への重要なお知らせ》



 今回もこのような虚構をお読みくださり、誠にありがとうございます。


 今回は、その貴重な読者様方への感謝も込めまして、


 今回の、このお話を読んで下さったお礼としての、重要なお知らせをお届けします。



 突然ですが、この物語、


 「―地球転星― 神の創りし新世界より」は、

 今月、五月いっぱいを持ちまして、ひとまずの「終了」を目指しております。


 次回の更新は五月の中旬か下旬の頭を目指しておりますが、

 今までサボってきたツケが回ってきたのか、

 五月一日18時現在での進捗状況が、次回の話も込みでまったくの白紙、文字数0からのスタートとなっております。

 その為、地球転星の終了を目指して、書き上げなければならないだろうお話を仕上げ、

 それを五月中旬から連続投稿するのか、それとも下旬からを目標にして連続投稿して終わるのかの予定はまだ決めかねております。

 それらの予定は、お話の出来次第ということになりますので、現時点での確約をすることは申し訳ありませんができません。


 しかし、プロットはほぼ頭の中で完成しておりますので、

 あとはそれをうまく書き起こす作業を残すのみということはお知らせできます。


 今まで、これほど下らない虚構を読んで下さった、読者様に置かれましては、

 ワタシの挫折グセを心配される向きもあることでしょうが、 


 現在のワタシはこの物語を来月まで持ち越すことを最大の「禁忌」としております。

 その理由は、来月に、「また何がやってくるのか」ということをご想像して頂ければご理解いただけるかと思います。


 それでは突然ですが、著者はその様な予定でいる事をまずはお知らせさせていただきました。


 ではまた、いずれ……。

 改めましてご挨拶を……。



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