00.地球転結
天から放たれた象の獣人からの鉄球を弾き飛ばして、
昇は視線で返していた。
「……文官……。
その武器の使い方って、武官の使い方じゃないよね?
軍人だったら、そんな武器の使い方はしないッ。
武器は、敵と会話するための道具じゃないッッ!
武器は、敵の数を減らすためだけの道具なんだッ!
でも、あなたは……、
武器で会話しようとしている……ッ!」
昇の言葉が、また怒りの鉄球を降らせたッ。
「やめよッ!巨象座ッッ!
勝手な攻撃は許さんッッッ!」
だが、象はそんな獅子の命令を逆に広い耳で払い潰すッ。
「リ、巨象座……ッ?
キサマ……ッ?!」
そのまま、
また理不尽な鉄球と反対端の錨の振り回した攻撃でもって昇に目掛けて、
一発、二発、三発と弾道を撃ち放つッッ!!
「巨象座ッッ!
やめよッ!と言っているッッ!!
攻導は、百獣王が統轄するッ!
言ったはずだッッッ!
止めよッッッ!!!」
だが、象は攻撃をやめなかった。
何度も、何度も、
撃ち放っては引き戻した鉄球と錨を何度も昇に向かって発射している。
「……っ……、
……指揮統制……揮れてないんですね?
戦場で、
軍人が文民を命令で管理できていない……ッ!
不名誉な状態……。
……でも、それはある見方では正常でもあり、それどころか理想形でさえあるッ!
……事実、
ぼくの母国では、それを到達点としていた……っ。
文民統制……ッ」
避けたり弾き返したりしながら呟かれた昇の言葉で、やっと象の攻撃が止まった。
「……文民統制とは読んで字の如く。
文民、つまり一般市民が軍人をコントロールすることだ。
いわば、
いまのアンタらのこの状態が、まさにそれなんだけどさ……ッ?
命の危険とは無縁な後方にいる文官の身勝手な行動で、
命を張って、命懸けで行動している軍人たちが傍若無人に振り回されている危険的な状態……ッ。
……あのさ?
どうしても、あの人を止めたいなら……
自分の命、見せなくちゃダメだよ……?」
中学二年の子供が、命のやり取りをする軍人の大人の獅子に指図する……。
「……、
退がれ、と言ったッ。……巨象座」
獅子の無機質な目が斧に怒りを込めて、象に見せる。
……彼らの主従関係は、暴力こそがその根源であり絆でもある。
その為の象徴こそが、獅子の持つ『武器』だった……。
力の証しを認めた象はやっと……落ち着き払うと、視線を下げて鉄球を仕舞う。
「……止まったね?象の人……?
さすがは軍人さんって所かな?
やっぱり軍人さんには優しさと厳しさも兼ね備えた人望がないとね?
あ、でもそれは文民の方でも同じか……。
結局、何をどうやったところで……、
文民も軍人も政治に行き着くんだからさ……ッ?」
「……お前っ……」
獅子に睨まれて昇はおどける。
「そんなに恐い顔で睨まないでよ?
たぶん、あの人たちも『不安』だったんだ……。
頼っていた自分の軍人が、急に武器を捨てて、
言葉だけで頼って、敵と会話をしようとしている……。
それが、柱としている自分の頭が敵に懐柔されるんじゃないかって極度の怖れを呼び起こすんだよ。
それやられると、主人に守られてる側って、すぐに不安になるからね?
自分たちが売られるんじゃないか?ってさ?
そしてソワソワしだす……ッ。
柱を、敵に懐柔されないように陰謀を計る為にね?
民が軍を疑い出すんだ。
疑心暗鬼の始まりだ……ッ。
で、こうなるとアンタら軍人は力を振りかざすんだよ?
力を振りかざして、疑う国民に刃を向けて内部を粛正して力で支配しようとする。
守ろうとしていた民を、今度は自分たちが虐げる対象に変えてしまうんだッッ!
『こんなハズじゃ、なかったのに……』
きっと力を振るうことしか知らないあなたは、最後にそう思うだろう。
民意が敵意に変わった後でッッ!
そして、気が付けば……、
きっと、どちらもキレイに、この世からいなくなっている……」
「まるで見てきたように言うのだな……?」
獅子が少年を見て言う。
「見てきたよ?
そんな光景ばっかりだったからね?
そういう風に仕組んだんじゃないの?
アンタらはぼくたちをさ……?
だから仕組まれた通り、
お望みどおりにこんな風に進化してやったよ……ッ?」
話ながら……、
昇が、今の自分の成り果てた姿を獅子に見せて、相手の手元を見る。
「……剣を持ってる限り、アンタは自分の部下から疑われ続けるだろうッ。
言葉を喋りだす軍人は信用できないからね?
言葉を喋る軍人は身も心も変わりやすいッ。
そして、心が変わりやすい軍人は刃を向ける相手もコロコロと変えるもんだッ!
敵が味方に……、味方が敵に……、ってな具合にね?
だから剣は、さっさと捨てた方がいいよ?
それは、今のアンタらを内部から引き裂く『毒の剣』だ……ッッ!!!」
「……だが、剣を捨ててしまえば、キサマは言葉を話さなくなるのだろう?」
「当たり前だろ?
オマエとぼくは敵同士なんだからさッッッ!!!!!」
「……それは……好ましくないのだな……っ」
敵がいなくては……自らの集団の士気を維持することはできない……。
しかし目の前の敵は、言葉を話さなくては止まらない。
そして、
その敵と話すと、その敵は敵ですらなくなる……のだとッ。
皮肉なものだ、と獅子は笑った。
「どうすればいい?
我は自分の同胞に刃は向けられぬ。
かといって貴様の放置も出来んッ!
貴様は脅威だッッ!
許したわけではないッ!
だが、手にも負えぬッ!止める手段がないことも認めようッ!
貴様は一体……どうしたいのだッッ?」
「苦しんで捕まってもらうッ。当たり前だろ?」
「それは出来ん。我らにも惜しいものがあるッ。
ここで貴様らに囚われるわけにはゆかぬッ!」
「じゃあ、ここでこのまま再開だ。
アンタが剣を持っていても、ぼくは攻撃を開始する。
会話をしたままね?
そうなったら……好きな時に剣を捨てればいいよ……ッ!」
「我はまだ……話がしたい……ッ」
「……?……、
……なんだそれ?
これ以上話すことなんて、あるのかよ?」
「キサマ以外の仲間は、まだ攻撃に転じてはいないッ」
……見れば、
散り散りに回りに散らばっていた戦力が全員、昇と獅子を見つめている。
「キサマ次第だ、という事だ。
ここはヤツラの世界のはずだろう?
そのヤツラが、全ての判断をキサマに委ねているッ!
部外者のキサマにだッ!
突然、戦場に乱入したキサマを……ッッ!
尊重しているのだッッッ!!!
それはキサマの会話を信頼している証拠ではないのかッ?」
「違うな。あれはフヌケだ。
自分たち許約者の力が、アンタたちにまったく通用しないことを悟った時に、
突然現れたぼくが戦場を掻き乱すことに成功したモンだから、単に頼っているだけだよ。
ただの弱肉強食に敗れた惨めな敗者だッッッッ!!!」
切り捨てる昇に、暗い沈黙が降りる。
「だが、ヤツラはお前に、我らの粛清を請うてはいないッ」
「プライドが許さないんじゃないの?
今まで威張ってきたみたいだからね?」
「そう見えるのか?
お前には……?この回りに立つ敵たちが……っ?」
獅子が……自分たちの様子を伺っている敵を思案する
「ハはは、
なんで敵が敵のことを心配してんだよ?
また統制失うよ?
だいぶ牙が抜かれてきたんじゃないの?ライオンさん?」
「挑発には乗らぬ。キサマに心配される謂れもないッ。
力を見せればよいのだろう?」
「どっちにだよッ?」
「無論、仲間にだッ!」
断言する獅子が、自分の獣支たちを統制する。
「ふーん?
同胞にねぇ?
……そこまでして、ぼくと話がしたいの?
確かに話したい事は結構あるよ?
でもそれはアンタたちにじゃない。
ボクを見ている別の現実にいるヤツラに対してだッ!
……それでも……いいの?」
「構わぬ」
試して訊く昇に獅子は頷いた。
「……なら……、勝手に話を始めさせて貰おうかな?
聞いてます?
現実の人たち?」
……おまたせ致しました。
こんな下らない文を、ここまで読んで下さっている、
現実の皆さん。
「ちょっと、虚構の戦場を止めて、
現実の話をさせて頂きますよ?
とは言っても、
きっかけがないと何から話してのいいかも分からないなぁ。
取りあえず何から話そうかな?
うーん。
じゃあ、まずは沖縄かな?
沖縄の人たちへ、
ぼくは前回のお話で……、
現実の二月にあった県民投票について、こう言いましたね?
2019年の二月にあった県民投票の結果について、
ぼくは深く失望している……と……。
辺野古移設の県民投票が実施されて、そこで出た投票結果は『反対』だった。
そうでしたね?
その『反対』という民意の結果に、ボクは深く失望している……と、
そう言った。
ぼくが、
それに深く失望している理由は、
主にその『反対』という結果を出した県民投票の『投票率』にあります。
ぼくは『投票率』を最重要視している。
その時の投票率は52.48%と聞いています。
で、
その52.48%に占める総投票数が約60万票で、
その中から移設に反対が約43万票、賛成が約11万票という結果を出したんですよね?
つまり移設反対の得票数は……投票率50%以上を満たしてはいないッ!
逆に賛成票は11万票ほどあった……。
この11万票に……残りの投票しなかった47%全員の票数を合わせれば……、
移設の反対票を上回る事が出来る……ッ。
……これが、ぼくが沖縄県の二月の県民投票に失望している最大の理由です。
欲を言えば……、
反対票の得票数は、全投票率の70%を超えた量で欲しかったですね?
反対票だけで投票率の70%超えです。
「賛成」「反対」「どちらでもない」「無効票」なども含めた全投票率では……最低でも80%は欲しかったな……。
でもそれらが達成できなかったッッ!!!
この状態じゃ、まだ弱い……ッ。
弱いんですよ。
賛成票が、反対票を上回る可能性は出来るだけ排除したかったッ!
っていうのがぼくの本音です。
だってぼくだったら……、
この残り47%の投票に行かなかった人達……、
この人たち全員を、賛成票に動かせますからね?」
言い切る昇が沖縄の人々を見る。
「動かせますよ?
きっと動くでしょう……。
この47%の人たち……。
なぜなら、
この47%の人たちが、なんで投票に行かなかったのかっていう理由が……、」
〝投票に行っても、きっと何も変わらないから……〟
「……だからですよッ。
つまりですね?
この47%の人たち?
投票すれば変わるっていう『実利』さえ見せつけてやれば……、
簡単に『賛成』に、一票を投票してくれる人たちなんですよねッッッ?!」
冒涜が穢す……。
「そして、ぼくは言いました……。
『基地はムダにさせるんだ!』と……。
じゃあ、
沖縄県に住む、『投票に行けば変わると思いたい人たち』って……、
いったい、どういう風に沖縄を変えたいんですかね?
どう変えたいんですか?
基地をどうしたいんですか?
いまそこにある基地が?
どう変わるという確実の変化があれば?
県民投票に行って一票を入れてくれるんですか?
……ぼくだったら……、
それを……ムダにできますよ?」
悪魔が囁く……。
「基地を……ムダにできますよッ?
ぼくは、沖縄を『変えよう』なんて微塵も思っていませんけど?
ムダにはしよう、とは絶対に思っていますからね……?。
基地をね?
ムダにして……キレイに無くします……ッ。
それはあなた方の沖縄を『変えたい』という思いと、やっぱり違うんですか?
やっぱり違いましたか?
それとも同じですか?
『同じ』でしたかッ?
同じなんですかッッ?!!!
じゃあっ!
じゃあですねッ?
その基地をムダにする為にですねェッ……ッ?」
昇は、米軍基地に苦しむ沖縄県民に不気味にそっと近づき……、
耳元で、甘い息を臭く囁く。
「基地をムダにする為にぃ、
そのムダにする基地をわざわざ作る為にぃ、
その為にィ……?
辺野古移設の県民投票の『賛成票』にィ……、あなたの清き一票をぉ……?
入れてくださいよぉッッッッッ?」
…………ッぃ。
……咲川章子がいないことを、これほど呪うことはないだろうッ。
それだけの侮辱と屈辱が……ここには詰まっているッッ!
「……でも、無くせますよ?」
昇は悪魔の嗤いを消して、
真摯に見て、沖縄県民に問う。
「ぼくにだったら、ムダにできますッ。
ムダにさせますッ!
でもムダにさせる為には、まずは作らなくちゃいけませんッ!
ムダにする物を作るのが目的なのですからッ!
だからムダにする物をわざわざ作る為に、
賛成票に……入れてもらえませんか?
もちろん強制ではありません。
強制ではないんですから……もちろんそれを愛知の名古屋でやれッ!
っていう選択肢もありますッ!
しかし、それをやるにはまたさらに時間が掛かりますッッ!
今までの倍以上の時間が……掛かってしまいますッ!
なぜなら名古屋にも強制はできないからですッッ!!
沖縄でも強制的にできないことは、名古屋でも強制的には出来ませんッッッ!!!
また時間が掛かるんですッッ!
だから……あなた方は悩んでいるッ……。
そして、ぼくはそれにまた付けこんでッ!
沖縄の誇りを踏みにじる言葉を吐いているッッ!!!
必ず、心を踏みにじって敵になっているッッッ!!!!
ぼくは……沖縄県民への加害者だッ!!!
加害者になっているッ!!!
だからッ!
だからっ!
それを阻止する為にっ!
あなたたちにはッッッ!!!!
沖縄県に住むあなたたちにはッッッ!!!!
投票率を上げて欲しかったッッッッッ!!!!!!!!!
投票率を上げてッッ!反対票に入れて欲しかったッッッッ!!!!!
あなたたちの『誇り』を見せて欲しかったッッッ!
そうすればッ!
そうすれば、ぼくはッッッ!
空いた投票率なんかに付け込むこともなくッッッ!!!
……こんな……、
『悪魔』を言うことも……なかったんですよ……?」
悲しく敵意を見せる名古屋の昇が、沖縄に『剣』を突きつける……。
「……投票率は重要ですッッッ!
たとえ『白紙票』が含まれていたとしてもね?
その根拠も教えておきますよ。
投票ってね?
『マクスウェルの悪魔』なんですよ?」
それは虚構のような現実の話……。
「投票や選挙っていうのは『マクスウェルの悪魔』の行為なんです。
とくに今回の県民投票ような二者択一や三者択一のような投票行動では、その意味合いが非常に強かったッッ!!!!
マクスウェルの悪魔というモノは『統計力学上』に棲んでいる悪魔でもあります。
一つの世界を、二つの部屋に分ける悪魔……。
二つの部屋とは『賛成』と『反対』です。
この二つの部屋に……、
一つの世界で一緒に散らばっている「賛成」の粒子と「反対」の粒子を別々の場所に集める行動……。
それが、『投票』や『選挙』っていう行動なんです。
そして、その賛成や反対の部屋に集められる、ぼくたち人間の票はですね?
〝水は、吸収した熱を水の内部で「人間」に変換し、その変換した「人間」によって発生した熱をさらにまた再回収している〟
……の票なんですよ?
熱に変換された人間の心を……二つの部屋に住み分ける行動……、
……これが民主主義の根幹である『選挙』や『投票』の本質なんですよ?
だから……政治屋の人たちが、
選挙に投票する人の心を『根本から変えよう』と考えて行動することは、
あれはやめた方がいい。
それはですね?
冷たい粒子と温かい粒子を、別々に分ける行動では無く、
一方の粒子を、もう一方の粒子へと根本的に変える行動だからですよ?
でも、それって『マクスウェルの悪魔』が必要ですか?
粒子そのものの温暖の質を根底から変えるんだったら、二つの部屋なんて最初からいらないでしょ?
つまりですね?
そんなことをするとマクスウェルの悪魔が最初から必要ないんですよ?
そして、マクスウェルの悪魔とは『選挙』や『投票』行動と一緒です……。
それを無視して、
分けたい混ざり合った二つの粒子を、粒子そのものから根本的に変えたいのならね?
最初から『選挙』や『投票』をする必要なんてないんですよッッッ!!!!!!
……これが……選挙を基盤とする『民主主義』のカラクリですッッ!!!!」
言い切って。
昇は軽蔑した目で我々を見る。
「民主主義を機能させたいなら粒子自体の温度や重さは変えない方がいいッ!
そして、その効果を上げたいなら、投票率も上げた方がいいッ!
たとえ白紙票や無効票であってもですッッ!!!
投票率を上げる行為は、
マクスウェルの悪魔が見ている二つの部屋そのものの広さを、大きく拡大させる行為に等しいからですッッ!!!
集めた温度差のある二つの部屋は……部屋が大きいほど、その力は強くなるでしょ?
だから選挙の投票率は上げてくださいね?
そして、もう一つ忠告をするのならッッッ!!!
それを知ったからッ、もう一度、県民投票をやり直すッッ!っていうのはナシにしてくださいッッッ!!!
もう一回やったって同じですよッッ!
投票したら確実に変わるッッ!!!っていう実利を絶対に見せないと……もう投票率は上がりませんからね?
それを証明したでしょ?沖縄の人たちは?
これ以上、名古屋を失望させないでくださいッッ!
名古屋は……そんな沖縄の姿なんて見たくないッッ!!!!
自分の出したい目が出るまでサイコロを延々と振り続ける沖縄なんて見たくありませんッッ!!!
次はいつもの普通の代表を決める選挙で?
信じられない投票率を見せてくださいッ!
その方がよっぽど合理的で、実利があるでしょう?
県民投票の結果には……法律的拘束力なんてないんでしょ?
それが無いんだったら、そんなモノを何回もやる必要もないッ!
一回やれば十分ですよッ!
沖縄の心は……それだけ複雑だったッッッ!!!って事がわかっただけで十分なんですからッッ!」
肯定する昇が前を向く。
「沖縄の話はこれで終わりです。
ぼくが沖縄に伝えたいことはここまでッッ!
だから……これからも、油断はしないでくださいね?
基地がムダにされて消えて無くなるまで……。
そう言ったでしょ?
大丈夫ですよ?
沖縄に基地がある限りッ……名古屋も油断はできませんからッ!
できないですよ。油断なんて……ッ、
油断すれば……、
名古屋市も沖縄県と同じ『叫び声』を上げてしまうんだからッッ!」
睨んで、昇は次の目標に視線を移す。
「……さて、じゃあ次は北朝鮮ですかね?
……ですが、その前に一つ、
北方領土についても、この際、軽く触れておいておきましょう。
最近の北方領土の停滞した動き、
日本人のぼくは歓迎していますよ?
なぜなら現在、
ロシアの全土が北方領土に注目してくれているのですからッ!
今まで、北方領土に住んでいたロシア人の人たちはすごく心細かったことでしょう……ッ。
本当に自分たちは本国ロシアに必要とされているのか?……。
本当に、本国のロシアは北方領土の島民である自分たちを見てくれているのか?……。
いままで、そう強く思っていた筈です……。
見放されている……。
今まで、北方領土のロシアの人たちはそう思ってたんじゃないですかね?
ロシアさんは国土が広いですからね?面倒を見なくちゃいけない子供もたくさんいて大変でしょう?
でも、やっぱりちゃんとロシア本国は北方領土を見ていたッッ!
しかも今度はロシア全土も心配してくれているッッ!
日本に渡しはしないとッッ!!!
自分たちは見捨てられていなかったッッッ!
これは大きいはずでしょうッ!
現在の北方領土のロシア住民には大きい筈ですッ!
そして、その安心感は間違いなくッ!
日本の平和でもあるッッッ!!!
なぜなら、その安心しきっているロシアの住民たちから、
ぼくたち日本は、島を奪わなければならないのですからッッ!」
宣言した昇が、国境を睨む。
「北方領土を取り返したい日本人の人たちへ……、
ぼくたちはロシアを加害しなくちゃいけませんッッ!
ぼくたちは『被害者』じゃないッッ!!
加害者ですッッッ!!!
加害者になる覚悟を持たないと……?
島は戻ってきませんよ?
奪い返すんですからッッ!!
『平和』を使ってねッッ?」
断言する昇が鍔を鳴らすッッ!
「ロシアの人たちへ。
先の第二次世界大戦の結果は認めますよ?
認めますッッ!!!
あなた方ロシアはッ!
日本の土地を、戦時中に奪ったッッッッ!!!!!!!
奪ったんだッッッ!!!!
そしてロシアは勝ち取ったッッ!!!
暴力で奪いッ!勝ち取ったんだッッッ!!!!
それでいいじゃないですか?
負けた日本はそれでいいと思っていますよ?
それで何か問題があるんですか?
北方領土は、ロシアが大戦の結果、暴力で奪って勝ち取って占領したッッッ!!!
戦争的にだッッッ!!!!
それで認めましょうッッ!!!
で?
奪ったものを返してくれれば帳消しにしてあげますよ……ッ。
返してくれれば、暴力的に合法だったッッ!!!っと、そう認めて上げますよ?
アンタらロシアって国は、
平和ではない時にはッ、暴力で得たものを合法だったんだとして自分のモノにする国だッ!とッッッ!!!!
そう言ってあげますッッ!
で?もう日本はそれに対しては、もう何も言いませんからね?
ちゃんと返してくれればね?
それで問題ないでしょう?
他の国からは、それでなにも文句は言わせませんよ?
それはロシアの名誉の為に言わせないッ!
それを言ってもいいのは、奪われた日本国だけなのだからッッ!
でも、返してくれなかったら言い続けますよ?
非合法だとっッ!
ずっとねッッ?
当たり前でしょう?
暴力で奪ったのだからッッ!!!
でも……?
それって、別にあなたたちだけじゃないでしょう?
あなただけなんですか?
暴力で奪うことを合法としている国って?
ぼくは、安保理の常任理事国って国は全部『そうだ』と思ってましたけどね……?
平和がなければ暴力を合法として正当化して使う国……。
それが常任理事国という国家たち……だとね?
ま、どうでもいいですよ。
たぶんもう……あなた方がどれだけ次に何かを思いついて言ってきても、
もうぼくは答えませんから……?
その理由もすぐにわかります……。
で、
あ、そうそう、今、ロシアさんと交渉している日本政府の人たちへ。
用意している交渉のカード、それ、隠す必要なんてないですよ?
あのですね?
世界で唯一の剣を持ってたらですね?
交渉のカードなんて、最初っから隠す必要なんてないんですよ?
はぁーッ、
そりゃ世界でたった一つしかない法を持ってたらッ!
カードを隠す必要なんてないでしょう?
交渉でカードを隠す必要があるのはね?
同じカードしか持ってないヤツらだけですよッッッ!!!!!
交渉の基本でしょうッッ?
ポーカーは、同じカードの中から配られるんですからね?
そこに唯一の、すぐに勝敗が決する世界で唯一つのカードなんて持ってたら、
それはインチキですよ?
隠す必要、あるんですか?
ぼくだったら全ての手の内は明かしますねッッ!
だって、世界でたった一枚の第九条は既に手元にあるッッ!
世界で唯一のコイツさえあれば、自分の手の内を隠す必要なんてないッッ!
その行動は、この剣にとっては逆効果だッ!
カードの威力が一方側に偏ったゲームの中じゃあ、既に試合なんて成立しないッッ!
交渉の好きな時に、世界でただ一つの力を振るえばいいッ!!!!
それで終わりですッッッ!
それで勝手に……日本国の相手は平和になるッッッ!!!!」
睨む昇が……世界を見下す。
「世界で唯一の憲法、持ってたら……、
世界と『同じこと』をしてたってムダですよ?
ムダに決まってんでしょ?
世界で唯一の憲法を持っているならッ!
世界で唯一の行動をしないとダメですよッッッッ!!!!!
平和で相手を加害することを覚えないと……、
相手を平和にすることなんて、できませんよ……?
それ、覚えてから……憲法変えるかどうか考えろ……ッ」
吐き捨てる昇が、最後に次の相手に目を向ける。
「……さて?
そんじゃ、北朝鮮さん?
やっと、あなたとのお話をはじめましょうか?
……今、あなたは、非核化がしたいそうですね?
でも、その非核化の仕方が分からない……。
何度、提案してもアメリカは拒否をしてくる……。
かと言って、
アメリカが非核化のやり方を「こうだよ?」と提案して、丁寧に教えてくれるわけでもないッ!
なぜなら、
アメリカは自分の核だけは残して持っていたいですからね?
自分の核は持ってるのに?人には棄てさせようとしている……ッ!
そんな人間が、核の捨て方なんて知ってるわけがないッッッ!!!
だから、今の北朝鮮は途方に暮れている……ッ。
そうではありませんか……?
では、ですね?
ここで耳寄りな情報があるんですよ……?
実はいま、
日本という国では、脱原発といって『原発』というモノを捨てたくてですね?
それを捨てる方法を探しているんですよ?
核エネルギーの民事利用を捨てたいんです。
ですから?
日本だったら?
その軍事用の核エネルギー技術……民間用の核査察に切り替えることができるかもしれませんよ?
やり方も教えてあげられます……っ。
日本はもう核技術では世界に信用されていますからね?
核査察の受け方も色々と教えてあげられますよ?
北朝鮮にもね……?
もちろん、あなたの南にある韓国さんにも請えば教えてくださるかもしれませんが……。
でもですね?
韓国さんって、民間利用の核エネルギー技術って棄てたいんですかね?
それは日本にも分かりませんッ!
ですが日本はッ!
民事利用の核エネルギーも棄てたいんですよッッ?
自分で痛い目、見ましたからね?
だから……ですね?
どうです?
一緒に捨てて……みませんか……?」
昇は……、
そう言って、あなたに手を伸ばす……。
「拉致問題は……それと並行で出来ます?
日本はそれと一緒に片を付けたい。
それがあなたに対する報復だ。
核を一緒に捨てることが、あなたに対する報復なのだから、
これは譲れません!
北朝鮮は選ぶことになる。
そして勿論、
日本や拉致被害者家族の人たちにとってもね……?」
そう言って、昇は拉致被害者家族の方たちを見る。
「拉致被害者家族の方たちへ……、
ぼくは、あなた方に言っておくことがあります……。
もし、本気で北朝鮮と対話をしたいのなら……、
沖縄の辺野古から在日米軍基地……取り除いた方がいいですよ?
もちろん沖縄全域からもです。
あなた方、拉致被害者家族はこれから……、沖縄の在日米軍基地の排除に全力で推進するべきだッ!
なぜだか、わかりますか?
辺野古が進む限り……、
今の日本政府は、北朝鮮との二国間での単独交渉に入っても……。
その交渉の最中でも悉く「アメリカの名」を北朝鮮に持ち出すからですよッッ!
きっと持ち出しますッッッ!!!
北朝鮮もウンザリでしょう?
北朝鮮は、誰の助けもなく大国アメリカとたった一人で渡り合って交渉をしているのに?
その時には、何も助けてくれなかった日本が、
今度、自分と一対一で交渉をし始めたら、簡単にまたアメリカの名を持ち出してくるッッ!
それはこんな感じです。
日朝首脳会談の交渉中……、
北朝鮮が自分はこうしたいと日本に要求を提案する。
すると、日本は、それはアメリカの許可がいる。と言うッ。
また北朝鮮はこうしたい、と言う。
日本はまた、それにはアメリカの許可がいる。と言うッ。
また、北朝鮮はこうしたい、と言う。
日本は、それにはアメリカの許可がいる。とまた首を振り続けるッッ!
きっとこれしか言わないでしょうねぇ?
今の日本政府って?
そうでしょう?
違いますか?
今の日本政府さん?
沖縄に、米軍基地があると……楽でしょう?
なんでもアメリカに決めてもらえばいい。とか、そう思っていますよね?
だからいつも米朝首脳会談では、伝えてもらっているだけですよね?
その見返りには何を渡しました?
これからも何を渡すつもりですか?
ま、いいですよ?
国民が選んだ政府ですからね?
一番マシな政府だそうですものね?
でもですね?
アメリカがいないと何も決められないって事はですね?
日朝首脳会談っていうのは、米朝首脳会談と完全に一緒なんですよッ?
そんな会談に、北朝鮮には一体なんの実利があるっていうんですッ?
日本と交渉してたら、いつの間にか交渉相手はアメリカでしたッッッ!!!!
そのノリでッ、
またアメリカと交渉をしろッ!と言うッッッ!!!!
日本と胸元を広いて話していたら、出てきたのはまた『アメリカッ』でしたッッッ!!!
金太郎アメかよッッ…………!!!!!!
……やっぱり、沖縄に米軍基地なんていりませんね?
そう思いません?みなさん?
沖縄に米軍基地がある限りッ!
日本政府は、北朝鮮には、絶対に交渉中には「アメリカ」としか言わないッ……!!!
それで拉致解決の為の交渉なんて進むと思います?
ことごとくアメリカの名を持ち出すんですよッッ!
むしろ持ち出さなくちゃダメですよッ!
日米安全保障条約、あれがある内はね?
だって、それしないと条約違反になりますからね?
だから……、
あの今、辺野古で現在、絶賛進行中の護岸の中の埋め立て工事……。
ぼくには、こう見えてるんですよね?
あの綺麗な辺野古の海が土砂で埋め立てられてる度に……、
日本政府は、
北朝鮮や中国やロシアに向かって「\アメリカッ!/\アメリカッ!/\アメリカッ!/」って言っているようにしか見えないし聞こえないんですよねぇッッッ!!!!!?????
そう聞こえていませんか?
中国さんやロシアさんや北朝鮮さんは?
日本と交渉していると、いつの間にかアメリカと交渉している、あの感じ……、
受けたことありません?
ぼく絶対、受けさせていると思ってるんですけど……。
違います?
もし違ってたら、すみませんね?
もし違っていたら、
日本とちゃんとこれからも話し相手になってやってくださいね?
かなりツマラナイとは思いますけど、そこは我慢して付き合ってやってください。
ウチの日本政府の事を、よろしくお願いいたします。
……さて、では、
最後の仕上げと行きましょうか……」
言って、
昇は、日本の東京を見る……。
「……次は……撃ち落とせ……」
昇は唐突に、そう命令する……ッ。
「次は、撃ち落とせっ」
次とは何のことか……お分かりになるだろうか?
「次はやれ。と言った。
韓国の軍艦をッッッ!!!!」
蒸し返し……。
「レーダー照射問題……ありましたよね?
あれ、
次、またやらかしやがったら、撃ち落としてください。
躊躇わずにズドンッ!と撃ち落としてください。
韓国の軍艦をッ。
これは防衛です。
防衛行動ですッ!
日本の排他的経済水域内ですからね?
例え他の国では、それをやっていなくても?
日本はやってくださいッ!
これは防衛行動ですッ!
防衛行動は……第九条があっても出来るでしょう?
やれよ?フヌケども……。
国交断行?
生ぬるいよ?
撃てよ?
やれよ?
ふざけんなよ?
ぼく、許さないよ?
自国の自衛隊員が危険に晒されたら、躊躇いません。
危険に晒された自衛隊員を、今度はさらに、その死地に送り込みますッッ!
文民である、ぼくがそれをさせます、
用意しますッ!
武器を持つ者に、相応しい死に場所を与えてやるッッッ!!!!
……だから……撃ち落とせ……っ」
これが真の文民統制……ッ。
「もちろん、それをした事によって、
次はどうなるかは分かっている……」
そして昇は、韓国の北にある北朝鮮を見る……。
「ちょうどいいモノを、北は持っていますしね?
撃たせてやるよ?
北朝鮮。
いままで撃ちたかっただろ?
なあ?だから、
撃たせてやるよッ?核保有国っッ!!!
お前の同胞の南は、日本の国内で撃ち落とされるッ!
日本の手によってだッッ!
許せないだろう?
だから撃てッ!
撃ち方は分かるな?
分からない?
なら、
なんなら教えてやろうか?
本命が三発。
予備に二発ッ。
合計五発ッッ!!!!
それを東京だッッッ!!!
……撃て……。
一発じゃ足らねぇよ?
当たり前だろ?
おかわりだッッッッ!!!!!
あのな?
日本国……二発、既に耐えてんの?
わかる?
二発、耐えてんだよッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!
ヒロシマとナガサキだッッ!
知ってんだろッ?
しかも、あれ不意打ちだったからな?
不意打ちで、二発も耐えてんだよッッ!
だったらッッ!!!!
今度は覚悟してたら、もっと耐えるに決まってんだろっっっっ???!!!!
だったら一発で終わるワケねぇだろ?
五発だッ!
あのヒロシマやナガサキの原爆の爆発時の原爆雲の映像……知ってるよなッ?
あの最中にもう4発、撃つんだよッッッッ!!!
トドメにッッッ!!!!!
それよりも遥かに強力なのをだッッッ!!!!!!
当たり前だろ?
現代の東京だったら一発じゃ足らねえよ?
五発だッ!
銃の打ち方も知らねえのかよ?
銃で人を撃つときは引き金、引く時は一回じゃねぇだろ?
あ、これマンガの知識ね?
文民が武器の使い方なんて詳しいワケねぇだろ?
それ……、ちゃんと撃てよ?
五発ッ!東京だッ!
韓国の軍艦が自衛隊に墜とされたら……、すぐに撃てッッ!!!
できなきゃフヌケだッ!
おまえら全員フヌケだよッッッッッ!!!!!!!
今まで散々威張ってきたじゃないか?
だから撃てよ?
安心しろ、お前が撃たなかったら……、
後ろが撃つ……ッ!」
昇が北朝鮮の背後を指差す……。
「撃ち落とすのは……韓国だけじゃないッ!
中国やロシアッ、てめぇらの軍艦も例外じゃねぇよ?
撃ち落とすよ?
日本は撃つからね?
領海に侵入したヤツは片っ端からッッッ!!!!
防衛行動としてッッ!!!
で?
東京に
五発だッッッッ!!!
ロシアと中国もな?
反撃でッッ!!!
あ、ついでに名古屋にも五発よろしくね?♡
ん?やっぱ五発じゃ足んねーわ?
十発にしよう。
本命6発。予備に4発だッッ!
ミサイル防衛システムがあるからさ?やっぱ足んね☆!
それを東京と名古屋に十発ずつ……。
他の都市にも同じ量をな?一都市につき十発……ッ!
撃てるだろ?
それだけ作ってるだろ?準備してるだろ?
撃たせてやるよ。
大丈夫だ。
後で、お前らの首都と都市にも……同じ数が行く……ッッッ!!!!
地球を『チキュウ』にしてやるよ?
それが、韓国の軍艦を撃ち落とした日本の責任だッッ!
『再発防止に努めます♡wwwwwwww』っなんつってなぁッッッ!!!!
もちろん人類のな?
それで……終わりだ……ッ!」
断言して、昇はアメリカを見る。
「……つっーわけです。アメリカさん?
日本は韓国と一戦やり合います。そのつもりです。
一度、本気でケンカした方がいいと思うんですよね?
日本と韓国ってさ?
それに……?
どうせ、
オマエ……仲介する気、ねぇだろ?
最初から日本と韓国の仲を仲介する気ねえだろ?
オマエ、いつもそうだもんな?
だから日本と韓国だけで決着つけてやるよ?
それでいいだろう?
ま、その後でオマエがどっちに着くかは知らねぇけどさ?
でも、オマエがどうするかは知らねぇけど……。
中国とロシアさんはどっちに着くんだろうな?
たぶん介入してくるよ?
韓国に?
オマエはどうする?アメリカ?
日米安全保障条約……どうするアメリカ?
ま、どっちでもいいよ。
たぶん他の核保有国が……お前を撃つだろうからさ?
唯一の被爆国が核兵器で撃たれたらな?
どさくさに紛れて、手当たり次第に撃つんじゃねぇの?好きな所にさ?
だから、いっしょに死んでやるよ?
それで……チキュウだッッ!」
昇が……全世界を睨んでいる……。
「第三次世界大戦は、同じ同盟国同士の日本と韓国から始めてやるッッ!
それでいいな?世界っッッッ??!!!!
日本は既に二発、経験している……。
オマエラが一番、怖がっている事をだッッッ!!!
だからオマエラは核兵器を持つんだろ?
ん?
〝声〟が……聞こえるな?
〝声〟が聞こえる……。
ヒロシマとナガサキだ。そしてオキナワの〝声〟も混ざってる……。
そしてほかの戦地の〝声〟も……」
そして昇は、
その〝声〟を宥めるように笑んで、独り言をつぶやく……。
「もう少し……待っててくださいね?
ええ、もうすぐです……。
うふふ……、
嬉しいでしょう?
すぐにぼくたちも〝同じ目〟にあってあげられますよ……ッ!
今までつらかったでしょう?
何の兵器で地獄にされたのかも分からない、苦しみと恐怖……ッ。
そうですよねぇ?
あの地獄を見せたのは原爆の所為だ!
なぁんて言ってるのは生き残った人間だけですよ?
本当のあなたたちは、
それが原爆の所為だった、なんて事も知らずに地獄に逢わされて殺されていったッッッ!
事実を知る由もなくっ!地獄に落とされて殺されていったッ!!!
真実も知る暇もなく、
突然の意味不明な地獄で死に追いやられる人々が考えることは、ただ一つですッッ!!!!」
〝お前も同じ目にあえッッッ!!!!〟
それが全ての人が抱く『呪いの言葉』……。
「だから勘違いすんなよ?
広島の人に長崎の人?
広島と長崎の原爆で殺された人はね?
それが原爆かもわからずに死んだんですよ?
そんな人たちが……平和を望むと思いますか?
そんなワケないでしょうッッ?
同じ目に合えッ!って言ってんですよッッ!
だって、ぼくならそう思いますからねッッッッッ!!!!
あんた方は……違うんですか?
なんで自分は死んだのか?、知りたいと思わないんですか?
で、それを知ることも出来ずに他所からの暴力で殺されて死んだら……、
やっぱり、まんまと生き残って真実を知っている人間を恨むでしょう?
ぼくだったら許せませんね?
だから同じ目に合ってあげるんですよ?
あなたも道連れにしてね?
それが、できなきゃフヌケです……。
このフヌケ野郎どもッッッ!!!!」
言って、
昇はもう一度、東京を睨む
「……次、ちゃんと撃ってくださいね?
内閣総理大臣?
お前をフヌケだなんて、ボクに思わせないでくださいよ?
大丈夫ですよ?
これ、命令ですからね?
いままで「総理が悪い」「首相が悪い」とか散々、回りからヒドイ事言われてきたでしょう?
可愛そうに……。
同情してるんですよ?
ぼくは?
だから命令してやってるんですよ?
命令されるの好きでしょう?アメリカから?
だから?
ただの中学二年生のガキが、迷える内閣総理大臣に命令してあげますッ!
次は……撃て」
少年が大の大人に命令している……。
「もちろん?
この命令に対する、拒否する権利が総理にもありますよ?
当然でしょう?
中二のガキのワケのわからない命令を、一国の総理大臣が拒否できなくてどうするんですか?
拒否権はもちろん、あります。
ただ?
ただ、ですね?
次、撃ってくれたら?
今までの、この『地球転星』の虚構……、
全部、本当だ。って言ってあげますよ?」
悪魔が囁く。
「この今までの地球転星の虚構の設定。
これら全部の全てを、現実の本当の事実の事だとッ……、言ってあげます。
きっと世界中がビックリするんじゃないですか?
だって……それほどの虚構じゃないですか?
地球転星って?
誰も否定しないんですもん?それとも否定する価値もないとか?
だったら?この命令自体にも意味はないでしょう?
でも、総理大臣が命令して自衛隊が撃って、
外国の軍艦が日本国内で墜とされて?
沈んで……、
その後で、
東京と名古屋が一緒に消し炭になったら?
この虚構の設定を現実だと言ってあげますよ?
熱力学の第二法則……破れていませんか?
それをノーベル賞委員会の人たちが知ったら?
どうなると思います?
取れちゃうかもしれませんよ?
ノーベル賞が?
しかも一つじゃないかもしれないッ?
水が第二種永久機関だとしたら?その副産物の「なにか」ッ?
それを想像できませんか?
ノーベル物理学賞、
そして医学生理学賞、
さらに化学賞にッ、経済学賞!!!
ひょっとしたら、
そこに、もしかしたら平和賞まで付いてくるッッ!
もちろん、その時はっ……ノーベルぶn……」
昇が著者をチラリと見る……、
「ノ、ノーベル文がks……」
やはり君は、狂人の類であったな……。半野木昇。
こっちを見るな。
中学生は中学生らしく……、
……夢は虚構で見てような?
「……でも、
そんな全てのノーベル賞が、
一度にッッ!
一つの日本によって全て総取りにできるかもしれない信じられない可能性がここにあるッッッ!!!!!!
幻のノベール・プライズのグランドスラムッッッ!!!!!
総嘗めだッ!!!!!!
一年のノーベル賞の全てを一つの虚構が手に入れるッッ!!!!
それが現実で成し遂げられるかもしれないッッッッッ!!!!
総理が……次に、ちゃんと韓国を撃ってくれればね……?」
実利が……コトリと目の前に置かれる……。
「それが報酬です。
あなたが日本の防衛という名目でどこかの国を撃って?
また日本も撃たれることによる結果の、それが報酬……。
この誘惑に勝つのは簡単ですよ?
否定すればいい。
この虚構を、
……それは完全に現実のことではない、とね?
そう、それであなたは誰も撃たないッ!
できますか?
できますね?
それともやっぱりできませんか?
実利の誘惑には勝てませんか?
この目の前に置かれた実利が……、
目の前にぶら下がるウマのニンジンにしか見えませんか?
……まあ、どっちでもいですよ?
ぼくはどっちでもいいッッ!
だってぼくは……」
キミは……虚構の人間だからねぇ?
「……これで王手詰みです。
あとは……、
実際に絶対零度が現実でさらに数字を繰り下げるのを待つだけ……。
それで、この虚構の『勝ち』ですよ?
そしたら、現実の敗北です……。
さようなら……。
短い間でしたが……現実との会話は楽しかった……」
勝手に勝利宣言をして、昇はあなた方に背を向ける。
……、
……ふむ?
……これで、やっと、今回の話には区切りを付けることが出来るかな?
ここまで書くのは本当に大変だったし疲れたよ?
あの11日を短編の推敲にまるまる取られて、
残りの12日から今日の14日までの短時間で、この一話分の文章を最初から最後まで丸々書き切ったのだからね?
ん~~~~~ッ、
やっとひとまずの、これで、かかり切りだった今回の創作活動からも解放されて、
これから、この創作の所為で、あまり時間も作れなかった、
束の間の家族との時間でも作ることができそうかな……。
まだまだ、このお話の続きはあるけれども、
それはまた英気を養って取り組めばいい。
さて、これでやっと勝手に追い詰めていた自分の一仕事も一段落ついたところで……、
祝杯とでも行こうかね?
ん?……、
おや、こんな時間に誰か来たようだ……?
やっと待ちに待っていた拘束からの解放感に浸れるかもと思っていたのに、
取って置きのお酒を出したら、インターホンが鳴ったじゃないか?
やれやれ、いったい誰がこんな時間に……。
「…………あ…………」
半野木昇が何か言ったようだが、気にせず出よう。
さっさと来客の対応を済ませて、
早くとっておきの高いお酒をあおりたいのだ~♪
~♪
……。
……っ?!!……。
ッッ……っ!……っ!ッ……ッッッ!!!!……――ーっっッ!!!!!!……、
ッ……ッ!、……ッ!、……ッーーーーーーーーーーーーーーッっ、ッ!!!!!!
ッ……。……………っ……。
……………………………。
「ぁ……ぅ、うわぁ、やっちゃったよ………。
今どうなったか……分かります?
この著者の人ですね?
襲われました……っ、
階段降りて、
自宅のドアを開けたら、いきなり襲われましたね?
あ~~~、スごいっスわ!
こういうことやっちゃうんですね?
現実って?
誰の差し金です?これ?
現実の誰かでしょう?
これ、やれって言ったの?
結構、脅えてたみたいなんですよ?
この人……?
なんか最近、身の回りで知らない外国語を話す外国人たちが増えていたみたいですからね?
それらしい国の言葉を話す人たちとかが?
あと、動きの怪しい日本人たちからもよく跡を着けられるとか、言ってたかな?
その中の誰なんですかね?
これ、やったの?
心当たりのある方……います?
いたら手を挙げて……って、まあいいや……。
今ですね?
ぼく、あの虚構の世界から、
現実の画面をくぐって、
この、ここの現実世界に来て、この倒れている人のすぐ横に立ってるんですよ?
ホントにすごいですね?
ルミノール反応まで消す薬品まであるなんて……っ。
さすがっ!
そっち系の人は考えることが違うッッ!!
……で、放置されてる……コレ……。
でも、コレってこれで終わりなんですか?
あ、いまボク、
爪先で、この人の頭をコンコンしてます。
やっぱり痙攣だけしてて動かないですねぇ?
で?
これ、これから、
誰かに発見されて?
大騒ぎになって?
これをした犯人捜しが始まるんですかねぇ?
……で?その犯人は捕まるのかなぁ?
捕まったら、その容疑者、なんて言うんだろう?
ま、どうでもいいですよね?
だってぼく……この人のこと、
生き返らせることができますからね……?
……できますよ?
いつでもできます。
ぼく、
自分で殺してしまった人でも簡単に生き返らせることができますから……、
きっとこの人も生き返りますよ?
ぼくには、この虚構の真理の力がありますからね?
すぐに生き返りますよ……?
きっと……?
あなた方は出来ないんですか?
この現実で?
こうやって存在を消した人たちや殺した人たちを?
また元に戻すこと……?
えーーーー?
それで人殺しなんてしちゃうんですかぁ?
ダメですよ?
だって、疑われますからね?
疑われたこと、ありませんでした?
こういうことやっていて?
犯人はお前じゃないか?って?
そりゃ、殺した人、生き返らせることもできなかったら……、
……疑われますよね?
だから、ぼく……、この人を生き返らせることが出来るんですけど?
でもそれ、別にいつでもできることなんで?
それは、いつでもいい時にしますね?
だって、今じゃなくても別にいいでしょ?
好きな時に、好きな人を生き返らせることができるんですからね?
ぼく?
あー、ぼくは人を生き返らせることのできる虚構の人間でよかったな~~~♪
いつでも、消された人のことを、生き返らせることができますよ~♪
『いつ生き返らせるのッ?
いつでもいいでしょッッッ???!!!!!』
ってな話ですよ?
じゃ、そういうわけなんで……、
ちょうど、この物語の著者さんの人もいなくなったんで……、
突然ですが、この話は、ここで終わりです。
いままで長い間、読んで下さってありがとうございました。
ちゃんと終わりましたね?
今年度内に?
著者さんの言ってた通りに?
よかった。よかった。
あ、この作品の、連載の表示は、
勝手に登場人物が『完結済み』にしとくんで、安心してください。
これで、
もう会うこともないでしょう?
ぼくの気が変わらなければね?
では、長い間、いままで本当にありがとうございました。
また著者の次回作にご期待……って、もう動かなくなってしまったわ、この人、
次回もヘッタクレもないですね?
あ、核弾頭、
誰かが、勝手に名古屋に撃ったら、
その時は、
この小説の紹介部分にある、『虚構』だとか言ってる部分だけ、勝手に全部消しとくんで?
安心して撃ってくださいね?
それで現実って事にしときますから?
ぼくが生きていればね?
くくく。
では、いままで本当にありがとうございました……。
なんか?
みなさん、待つことが大好きみたいらしいんで?
ぼくも待つことにします……。
お待ちしていますよ?
これからのあなたが出す次の『答え』を……。
ウくくくっ。
ああ~、
ぼくも待ってるだけで、『最後のチャンス』が掴めるといいなぁ~~♪
そんじゃ……、
そっちは勝手に……生きててください。
お疲れさまっしたー♪」
あっと、
追伸がありました。
あの著者が、もう一つ別に『連載していた作品』……、
あれ、更新できるとこまでは、ぼくが更新しとくんで、
暫くは連載中のままにしときますね?
まあ、それでも長くは続かないでしょうけれど……。
伝えたいことは、それだけです。
それでは今度こそ本当に……、
……さよをなら。




