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―地球転星― 神の創りし新世界より  作者: 挫刹
第三章 「新世界の扉」(最終章)
65/82

63.人が死なない戦争 


 警告!!


・このお話の回には「残酷な表現」または「身体欠損を思わせる表現」を帯びた文章が、

 「外傷の全くない無傷な身体的表現」といった感じ的に存在しています。

 何を言ってるのか、意味が全くよく分からないとは思いますが、

 「大量出血」の場面だけは確実に存在して発生していますっっ!!

 それだけは絶対です。

 その様な文章が少しでも苦手な方は、このお話を読まれることはお控えください。


※この今回の文章表現は全て「小説家になろう」運営さまのR規制ガイドライン(当話投稿日付けまでの)に沿って、現在のキーワード該当作の内容に相応しくあるように、著者なりに構成させて表現、描写しています。

 

が、

それでも、なお「たとえ無傷であったとしても医学的に痛覚的な身体欠損的な文章表現」に少しでも抵抗のある方は、読まれることは絶対にお控えください。






 少年の手の平で、

 光学線によって象られた剣が出現し、静かに自転している。


「なんだ……それは……?」


 奇妙な行動に、

 獅子が鼻をヒクつかせて呻りを上げた。


「……なんだ?って……、

アンタが『喋ろ』って言ったんじゃないかっ……」


 不愉快そうに昇が答えれば、

 獅子の獣人は解せんな心で声を苛立たせる。


「喋ろ?

喋ろと言って、

なぜ、そんなワケのわからないモノを我々に見せるッ?」


「……そりゃ見せるよ。

ぼくはコイツを持ってる時にしか『敵』とは会話をしないッ!」


 断言する昇が、

 自分の持つ剣の文を獅子に向ける。


 ?……、読める?


 獅子にも、その剣の文の内容を読むことができた。


「読める……でしょ?

その為に、

いままで散々半ベソかきながらリ・クァミスさんところの統一文語ワンスクリットは、

勉強してきたんだからさ……。


少しは苦労した甲斐が、あったってもんかな……?」


 不敵に嗤う昇に、

 書かれている文の意味を理解し、

 さらにその意味が理解できない獅子が獰猛に咆えるッ!


「……ッなんだ……ッ、そのフザけた文はァッ!?」


 勿論、

 その呻りごえは、昇にとっても尤もだった。


「そうでしょ?フザケてるでしょ?だからさッ!」


 いらないだろう?

 簡単にポイ捨てて、声をかき消すと一瞬で獅子との距離を詰めるッ!


「ま、待てッ!

それが無いとお前は話をしないのかッ!」


「……ッ?

ィチッ!……。

当たり前だろうがッ!

第九条コイツは、その為だけの剣だッ!!!!!

『敵と会話をする為』だけ(・・)の剣ッ!!!!!


その為だけの存在意義しか、この剣にはないッ!

交信剣メエリスだよッ!

コイツは敵と交信かいわをする為だけの剣だッッッ!!!!」


 怒鳴る昇が、

 会話するためだけの剣を、

 落ちていく空中から魔法で絡み取って一握に手中へ引き戻せば、

 すぐさま再び獅子に切っ先を突きつけるッ!



 日本国憲法 第九条


 1.日本国民は、正義と秩序を基調とする国際平和を誠実に希求し、国権の発動た

   る戦争と、武力による威嚇または武力の行使は、国際紛争を解決する手段とし

   ては、永久にこれを放棄する。


 2.前項の目的を達する為、陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない。

   国の交戦権は、これを認めない。




「そんな……フザけた文が……会話の……?」


 どうしても理解できない獅子の問いが、

 昇の呆れ果たせた肯定を断言させるッ!


「当たり前だろッッッ!!!!

それ以外のいったい何に使うってんだよッ?

少し読めばわかるだろォっ?


この(コイツ)に従ってたら『会話する』しかねぇだろうッ?

ったくさァっ?


ここまでやっといて(・・・・・・・・・)、もうお前らとは会話したくないんだよね?

おれ?


はやくお前らを、戦力と武力と暴力だけで斬り刻んで(・・・・・)終わりにしたいんだよ?

でも友達フレンドが、

どうしてもオマエラがしたいオベンチャラに付き合えっとか、

ワケわかんねぇことを抜かすからさぁ?


しょうがねぇから、

お前らの下らない『お話し合い』に付き合ってやって、やってるんだよッ!


なんだよ?

なんか、おれに訊きたい事でもあったんじゃねえのかよッ?

早く言えよぉッ!!!!!」


 イライラが頂点に達し。


 短気を切らし、

 傲岸不遜に顎を突きあげてくる昇の視線に、

 獅子は躊躇いながら呻りを上げる。


 呻りを上げながら、やはり躊躇いがちに顔を背けて……、

 さらにそこでやっと何かを悟ったのか、

 軽く片手を掲げ挙げると、

 呻る獅子が事の発端となった、それらをんだ。


「……、瑞麒座アリエス……」

「……ここに……」


 獅子が片腕を挙げて、呼んだ別の獣人。

 それはキリンだった。

 あの首の長い動物園にいる黄色いキリンの、その獣人。


 そんなキリンの獣人が獅子と同じような体躯で、

 両腕に抱いた『なにか』を捧げて見せている。


「大丈夫か……双鼠座ジェミニ


 問うと、

 捧げられて被せられた布がズレて暴かれて、

 もはや虫の息の鼠の獣人が顔を出すと弱々しく声を上げる。


「レ、座長レオ。……オ、オレが、オレがこんな所でこんなブザマをッ……ッっ!」


 ポタポタと……赤い雫が伝い流れて落ちている。

 羽織る袈裟懸けの衣から、

 出所となっている一点を色濃く染め、

 止めどなく溢れきった勢いで湧きあがる潤いが留めることもできずに、

 一滴、一滴と地上へと確かに堕ちていく。


 ……赤い堕ちていく一雫が……、

 本当に遥かな足元の地上の地面まで蒸発せずに落着するのか?


 どこに墜ちる?

 どこに落ちて天からのこの鮮紅の痕を、そこに付ける?

 落ちて着けて付けられた赤い鉄の味の一滴は、

 一体地面に落ちて、その場にいる他の誰によって気付かれてしまうのか?


 透き通った空を見上げれば、

 赤い雨は……いまだ降らない。


「……これが、お前のやったことだ……」


 獅子が、昇を睨んで示す。

 キリンが、昇に鼠を見せる。


 鼠の呼吸している力が弱い。

 はぁはぁと息苦しく荒そうに、ゥぐッと時折、呻いている。


「……そんで?」


 昇はそんな鼠を軽蔑視していた。

 鼠はさらに、ぅグゥッと叫ぶ。


「……それで?……だとッ?

貴様がやったのだぞッ?

キサマがこのジュヒチをッッッ!!!!」


 ジュヒチ、というのがその鼠の名前なのか……?

 そんな事にも興味がない昇は首を傾げる。


「だからさ?

……お前らと『同じ事(・・・)』をやっただけだろ?

それ?」

「同じ……事だとッ!?」


「そうだよ?同じ事だッ!

人を傷つけッ!

動きを奪いッ!

苦しめて黙らせるッ!


お前らだって、今まで散々、同じ事をやってるじゃないか?

この下で、いまも起こってる事をだッッッッっっっ!!!!!!!


そんな、それが、

そっちのそれといったい何が違うっていうんだよッッッ!!!!???」


 昇が怒りで鼠を睨みながら、自分の下界したを指差すッッ!!!


 そのザマと、

 この惨禍とでは一体なにが違うのかッ!?


 昇は、そう言っていた。


「我々が……同じことをしているだとッ?!

キサマと同じ事をしているだとっッ????


ふざけるなッッッ!!!


我々はこの様な事まで(・・・)していないッッッ!!!

我らであれば、

このようなジュヒチになど、もう息さえもさせてはいないッッ!


見よッ!

これがキサマのしたことだッッッ!!!」


 えよ。

 そう言って、鼠の血濡れた衣を破り裂くッッ!


「……ッぃ……ッがぅアッ!」


 叫ぶ鼠の躰が反射的に痛みで跳ねて、身を仰け反らす。

 血が…噴き出している。

 人間でいう所の肋骨の下、脇腹の側面辺り。


 そこから赤濁色の血の色が……栓を開けられたようにドクドクと広がっている。

 鼠特有の鼠色の体毛でよく分からないが。

 小太りな毛並みの脇腹から、

 赤い朱い血液が溢れて広がって、今も垂らして濡らし流れ落ちている。


「これが……キサマのやったことだッ!

キサマ、何をやったッ?」


「何をやったって……見ての通りだけど……ッ?」


 いい加減、止血でもすればいいものを……、

 それもしない獅子が昇に咆えかかるッ。


「ふざけるなァッ!!!

傷もない(・・・・)のに、なぜ血が出ているッッ!??」


「受けたからだよッ!」

「なにっ?」


 鼠の無傷な出血箇所を見せて、獅子が驚くと、

 昇は二刀流で握っていた、

 もう片方の剣を、空で切って露を振り払うッ!


「傷を受けたから、そうなってんだッ!

さっき、

ぼくはコイツでソイツの体を突き刺した。

で、その時、ソイツは剣の刺突による攻撃を受けた。

結構、大きな損傷だろうが、

体から引き抜いた時に、

傷だけは完全に元に戻して(・・・・・・・・)おいた(・・・)のさ。

正確には、剣は突き刺したけど、

体の内部にまで刀身は凹みほども微塵も通しちゃいないっていうのが真実ほんとうだ。

っていうか、

その時のコイツは、ほとんど刀身が引っ込む仕掛けをした竹光タケミツだよ。

その鼠の体に突き刺した寸前に、

刃がついている刀身だけは物質的に消しておいたのさッ!

あとは引き抜いた時に、

傷がつかないまま剣の刺突だけは受けたっていう情報だけをソイツの体に刻み込んで植え付けて記録させて傷害させておけばいいッッ!


そこまでやっておくと……ソイツはそうなるッッ!」


 傷も無いのに出血が止まらない脇腹を押さえて、

 痛みと苦悶で呻く鼠を、昇は見下げ果てた目で向ける。


「な、なんだそれは……?

そんな事をして、一体何の意味があるッ?」


「……数が減る(・・・・)だろ……?」


「な、なにぃっ?」


「数が減るでしょッ?

治したと言っても、傷だけだ。

出血量と痛量はそのままにしてある。

だから流血だけは止まってないだろ?

当たり前だ。

出血している『血』には、まだ(・・)そこには「傷がある」と記録させている。

見かけ上、傷口は直してあるけど、

真理上、実際に刺突を受けたことになっている際の断面はそのままにしてあるからなッ!

だから出血と痛覚だけはそのままだッ!

ただ単に、傷を受けただろう患部だけを体細胞に関してだけ物理的に元に戻して完治させただけ。

今の、その鮮血が出てるところはな?

その鼠の人の身体的にとっては完治されてるけど……、

血と神経にとっては断裂されたままになっているんだよッッッ!!!


あとはそれを……、

血管から流出した血が、

流血として体表に出てくるまでに、

治した体細胞によって堰き止めらて内出血になってしまわない様に真理透過処理を施してやればいいだけさッ……!」


「それで、……数が減る、だと?」


「そりゃ減るんじゃねえのッ?

普通そうなるだろ?


仲間が斬られた。

血を流した。

そんで、

倒れて、

苦しんで、のたうち回ってたら、

お前ら、ソイツをカマうだろ?


で、

しかも構って助けたオナカマは、幸か不幸かまだ息がある。

死んではいないッ!

やったねッ☆ッ!!!

死んでなかったら助けるだろ?

で、助けて診たら、傷がなかった。

でも苦しんでる。

それがなぜだかオマエラにはワケが分からない。

混乱する。

また他の奴がやられたッ!

同じ症状だッ!

足手まとい(・・・・・)が、また増えたッ!


お前らはそれが何でか分からないッ!


でっ!


今のこの状況になるっ……つぅー寸法だァッ!!!!!!!」


 絶妙に侮辱するタネ明かしをして。

 昇はケルリラと笑う。


 ケタケタと悪魔の嗤いが獣たちを覆っている。


「ワザと……苦しみを与えているのかッ?」

「当たり前じゃないかッ!それ以外に何をするんだよッ?

戦争やってた(・・・・・・)ら、

それするに決まってんだろッ?」


 子供の断言に怒りが湧くッ!


「キサマぁッ、何様のつもりでそんな事をぁッ!」

「オレ様のつもりだよッ!」


 断言する昇が、剣を向けるッ!!!


「戦争やってたらッ、

オレ様のつもりでやってるに決まってんだろうがっ?


お前らは、何様のつもりで戦争やるんだよ?

他人様のつもりで戦争やる気なのかよ?

なんだよッ、それ?

クソだなッ!

他人様のつもりで軍人さまが戦争をするのかッ?

クソすぎるぞっッッッッ!!!!!???

クソ野郎ッッッ!!!

なんだよォッ、それェッ?

違うだろォッ?

バッッッッカじゃねえのッッっっ??!!!??

蹂躙だッッッ!!!!


ほらァッッっ!!!

だから、もう会話コトバなんていらねぇだろうッ?

生命じかんの無駄だッ!


破っていいよな?もう……?」


 嫌気な少年が、敵と交信する為のけんを破ろうとするッ!


「……ダ、ダメだッ!!!」


「んァァぁァッああああああああああっっッっぅッッッ????!!!???」


 これ以上、話すことがあるのかッッ?

 ワケが分からないッ!


 そんな顔で盛大に、怯む獅子を最大に睨むッ。


「……な、ならば、

ならば、なぜ……、トドメを刺さない……っ?

命を盗らないッ!

人を……、殺さないっ……?」

「当たり前だろうが?

人殺したら、

それだけでこれが終わったときの、お前らとの事後交渉の処理が大変だろうがぁっ?」

「なら……苦しみならいいのか?」

「当たり前だろうがッ?

苦しみなんてのは、その場の『喜び』ですぐに消えるッッッ!!!」

「だが!元に戻らないものもあるッッ!!」

「だから体に傷はつけてねえしッ!!!!

人も殺してねぇだろうがッッッ!!!

クソかよッ?!!!!!」


「な……、なにっ……ぃ……っ?」


「人の体を傷つけたり、死なせたりしたら元には戻らねえだろォがッッ?

そんぐらいわかってるよォッ?

当たり前だろォッッッっ!!!!

だから傷も、殺しもしてねェだろぉがぁぁッッ?!

後遺症も遺さねェよッッッ!!!!


それでいいだろぅッ?

まだ、他になんかあんのかよッッ????!!」


「だ、だが、傷口が……」


「だからッ!

ねえ(・・)じゃんッ!」


 ……確かに……無い。


「しかし血は出ている!

痛みも訴えているのだぞッッ?!!!」

「で?」


「な、なにぃっ?」

「ほんでっ?

血が出て!

痛み訴えてて、それで、どうなってんだよッ?

そのネズミと、その他にいる、もう一人どっかでオレが斬ったヤツッ?

どうなってんだよッ?」


 黙る獅子に、

 今度は、代わってキリンが答える。


「痛覚だけです。それと出血もある……。

だが分からない。

その為に、お聞きしている。

教えて頂きたい。


双鼠座ジェミニ……、

いえ、この鼠の人間は、名をジュヒチと云うのですが、

そのこのジュヒチは、かなりの重傷を負っている……。

少なくとも負っているように見える(・・・)……。

何が起こっているのです?

あなたは……この鼠人ニンゲンに何をした……ッ?」


 訊ねるキリンが、昇を真摯に見据えている。


「血圧……っ」

「は……?」


「血圧を診ろッ!……つってんだよッッッ!!!!!

医療の基本じゃねぇのかよッッ???


戦争するッ!戦ったッ!傷を負ったッ!

動けなくなったッ!

血が出ているッッ!!!

それを一刻も早く治さなくっちゃいけないッ!

そうなるだろォッ!!!!???

早く診ろよォッッッッ!!!!!!!」


 怒鳴る昇に、

 慌ててキリンが即座に答えるッ!!

 

「せ、正常値だったッッッ!!!!

だから分からないッッとッッッ!!!」


「呼吸ッ!!!」

「えっ?」

「次は呼吸だッ!

一つだけで終わるワケねぇだろォッ?

お前、医療の専門家じゃねぇのかよッ?

病魔を追い詰める初診が一つで終わるワケねえだろッッッ?!!!」」


「正常だったッ!弱くはなっているが通常の呼吸の範囲内だッた!」

「脈拍!」

「……せ、正常値……っ」

「心電図は……?」

「記録してここに。

異常は……ナシです……」

「体温ッ」

「い、異常……なし……」

「意識……ハッキリしてるよね?

昏睡ってことはないな。悶絶してるモン。

瞳孔とかって診るモンなの?

おれ、医療診療とかってよくわかんないんだけどさ?」


「意識がないときなどは、

脳に直通する眼球内の血管の状態などを診るため等で行うことは……。

しかし、ここでは……」


 異常は見当たらなかった……。


 あるのは、

 現在の健常的な生体反応の数値からでは、とても説明がつかない程の夥しい量の大出血と……、

 訴痛(・・)だけ……。


 理解できない事象と症状だけが明らかにされていき、

 沈黙だけが広がっていく。

 広がった沈黙で、

 どこからともなく黒線の無機質なトンボが現われて、昇とキリンの間を通り抜けて行く。

 黒い線で描かれた架空のトンボが、

 点線リーダーを打って、

 彼らの沈黙を『・・・・・・』と静かにゆっくりと残して横切っていく……。


 それを感じ取ったのか、

 待ちきれないキリンが、お伺いを立てた表情で覗くと、

 昇は、ぅふーン……?、と下唇を上唇で巻き込んで噛み悩んで、

 耳の穴をかっぽじりながら、引き抜いた小指の先をフ、と一息した。


 つぅーことはァ……、


「……仮病ケビョウじゃねぇのッッッ??????」



「キ……キサマぁッッッ!!!!!」


 昇の誇りを侮辱する暴言に怒鳴ったのはキリンでも獅子でもなく大地だった。

 大地から咆えて剥き上げて立った、

 昇たちを見上げているトドの獣人。


 恨み!

 眉間にしわを寄せッ!

 怒りに任せて()を乱れ撃って、乱射するッ!


 ……それは、

 あの時(・・・)の鎖だった。


「ほらなぁッ?」


 昇が剣を宙に放って受け止めて

 ジャグリングよろしく何度も宙に放って受けては握りしめた剣を漲らせて


 即座にザンッ!と踏み切って一発、二発、三発と鎖の弾道を避け続けると、

 すぐに魹の獣人の足元に着地して、


 渾身の力を込めて剣を振り被るッッッッ!!!!!


水魹座パイシーズッ!!!」

「オウドビッッッ!!」


 仲間の獣人たちが叫んで呼び止めてッ、

 それでも、もう遅い剣の刃が剛健な肩口に深くメリ込み強引に沈み込むッ!


「……ッぁガアッっ? !!ッィぅッん、ぐゥッっっ!?……」


 身の丈は三メートル超。

 幅でさえ二メートルはあるだろう。

 そんな日本家屋の一階部分は軽く突き抜ける巨大な体躯。


 それを肩越しから、

 一度に斬撃が袈裟斬りの方角で心臓を斜めに真っ直ぐ両断する位置まで侵攻し、ギリギリと味わっていくのは……、

 獅子の躯(・・・・)だった。


「……レ、獅子座レオッッ!?」


 身代わりとなって斬撃を受ける今が食い込み、突き進む躯に突き飛ばされたハズの……、

 尻もちをついた放心状態の魹が叫びごえを上げるッッ!


「な、なぜだッ!

なぜ俺を庇ったッ?」


 それでも、獅子は喋らない。

 いや、喋れなかった。


 少年の怒り(ツルギ)が今も左の肩口から侵入し!

 中心部へとギリギリと深く食い込み!

 右の脇腹下へとすぐにも出口として突き抜けようとしている……ッ。


「……っゥごォッ!……ォ?

ォぉっ?g、aォあぁぁぁあぁァッッッッ!!!!!」


 断末魔が、今の自分の状態がどうなっていくのかを教えてくれる……。


 息が……できない。

 息をすると斬撃の最中の金属棒に邪魔されて肺が攣る。

 肺がって横隔膜が痙攣して動かないッ!

 動かすと電撃の背骨からヘルニアのような鋭い痛みが肋骨を覆って伝い突っ走ったッ!


「……っゥあッ、ァがッ? ぁっ、ッぁ!、あg、ぁ、ぁぁ……ぃッ……ッ!」


 こえとともに……、噴き出した血が破壊の跡の地面に落ち染まる。

 ボタボタと落ちている。

 自分の体重と比べても、

 どれほどあるかも分からない、

 見たことも無い量の自分のワインのような鮮血が、地面へと染まって滝壺のように落ちている。


 それを見ながら……

 衝撃を受ける体の中で、

 自分の臓器が切れ味の悪い刃で掻き混ぜられて、

 ブツブツと断たれていく感触があった……。

 味の悪い斬られていく不気味な触感と、刃の丸さで中途半端に残る抵抗力が……、

 骨を砕きッ!臓物を抉りッ!

 ゴロリと慣性を纏って異物のようにまぁるく体内で反回転する違和の感覚ッ!


 地獄が……獅子の躯の中で駆け巡って迸っているッ。


「……ッぅっ……ぐゥッ……!」

「フンッッ!!!!」


 とうとうやっと、

 少年の怒りある刃が、獅子の躯を脇腰から下に斬り抜けたッ!


「……っォブぅッっ!」


 左肩から右の脇腹へと突き抜けた斬撃。

 最後の脇腹から駆け去った威力を追い駆けるようにして、

 獅子は片膝をついて患部を押さえた。


大完治ちょうムキズッ……!!!!」


 危害を加え終わった昇が、敵を斬った筈の剣を露に払って、

 バチィンッ!とした無実の結果の剣を、

 両の手の平の目の前で柄と剣先を合わせて、


 今度こそっ!ついにッ!!!

 待ちに待っていた利用規約違反を確実だと絶対的に判断したッ!

 禁止事項を『必要以上に表現した文章ッ!』であるとッ!


 この文を読んでいる歓喜に沸く!

 運営と読者に断言するッッッ!!!



キレテナぁーーーー⊂二二二( ^ω^)二⊃ ブゥーン ーーーーーーーーーイッ!!



 ……事実、

 肩口から斬られた筈の剣が抜けていった脇腹を血濡れていく手で押さえて、

 それでもやはり、

 そこに断裂の感触があったはずの傷口がないことを、

 獅子は間違いなく確認する。


「……ッぉ?

……ォこぉ、こ、これが……ぁッ?

双鼠座ジェミニ射馬座サジタリアスが受けた……?」


 ことだと……?


 獅子は更に傷口を確かめるように出血の出所を探す。


「……ぅぐッ……」


 だが……、

 傷口が……ない。

 本当に傷がないッ?


 斬傷されたハズの落差がないッ?

 段差もないッ?


 深い傷はおろか、

 浅い傷までないのに、血だけが外に流れ出て伝っているッ……?

 汗のように……、

 そう、汗のようにジンワリと皮膚から止めどなく、

 赤い血が噴き出して流れているだけだった……。


 そして、肋骨に痛みが奔るッ!


 ぐっ、


 つんざく痛みが鳩尾にまで集まり、剥いて向かれたが軋むッ。

 それでも炎症は無いッ!

 腫れもないッ!

 骨折さえもしていないッ!


 なのに痛みが……っ、

 痛みだけが……ッ、


 自分の躯に残りッ!

 発生しッ!五臓六腑を駆け巡っているッッッ!!!


「……ァ……ぁ……、ぁハァッばッ……ッィぅっ?」


 一歩……、進み、

 二歩……、怯み、

 三歩目で……、立っている足がよろけた。


 酩酊……している……?

 疼痛に?


 痛みに酔っぱらって、足元がフラついている……?


「レ、座長レオッ!

オレは……っ、オレはぁッ……!」


 突き飛ばされた魹が起き上がって、

 バランスの取れていない瀕死の獅子に駆け寄ろうとする。


「……き、キサマは……待機だッ!」

「レ、獅子座レオぉっ!」


「二度、言わせるなッ!待機だッ!」


 もはや黄金の鬣にも覇気のない獅子が、

 落ち武者よろしく垂れ下げて、


 肩口から脇腹までの斬り口を手の触診で確認しながら、

 狼狽える魹を眼光で睨むッ!


「だ、だが……周りから攻撃を受けたら……?」


 待機していろ、とは誰にも攻撃はするなという意味だ。

 そんな、こんな敵地のド真ん中で、攻撃をするなとは。

 どれほど、そんな無防備な場所で、これから一体どうやって身を守ればいいのか?


 心細く怯える魹に、獅子はそんな万一の時の対処方法を睨んで伝えるッ!


「報告しろ……ッ。命令はくれてやるッ!」


 獅子の睨みが、それよりも更に巨躯を誇る魹の態度を怯ませる。


「ぎょ、御意……っ!」


 頭を下げ、拳を地面に額着けて膝をつく。

 それを見てやっと……、落ち武者の鬣をした獅子は空を仰いだ。


 いつの間にか、少年は空にいる。


 少年が空に立って、自分を見下ろしている。

 それに追い付こうとして、踏みしめた一歩から激痛を感じた。


 ぐ、


 呻る口からは、吐血が出た。

 むせてせき込む。

 ……だが息苦しくない。

 不思議だ……。


 腹に……響く。

 血が、袈裟斬りに抉られたハズの肺の中まで満たして伝っている感覚もある。

 傷口が開く。体からの出血の量も多くなる。

 なのに……、

 なのにだッ!


 開いた傷口がどこにあるのかも分からないッ!


「なんだ……これあッ……?」


 空に叫んだ獅子が、

 怒りと痛みに身を任せて空中に作った空の階段を瞬く間に駆け上ると、


 同じ高度になった少年を見た。


「……コレ(・・)、そっちが持ってろよ。

それをお前が持ってる間は、お前らの『おしゃべり』に付き合ってやる」


 ごフっ、と、獅子の咆哮クチから血が噴き出た。


 それも構わず、

 昇が『平和の剣』をヒュンと獅子に向かって放り投げる。

 それを、

 口から血と唾の滴らせる獅子は、無造作に掴み取った。


「ったく、

話をしろって言ってくる割には、その話が気に入らないと攻撃してくる……ッ!

それがいつものお前らのやり方だよなッ?

よく知ってるよッ!

オマエラ、軍人って人種ヤツらのする事はさぁッ!


言葉か暴力か、どっちかも選べねぇクズ野郎の集まりだッ!

暴力振るって言葉まで喋るッッッ!!!

暴力を言語にするヤツラは暴力だけで会話してろよッッッ???????!!!!

言葉なんて必要(いら)ねぇだろうッ?

一言も喋らねぇままッ!

()って()けるッッ!()って()けるッッッッ!!!!!!

それを自分と相手だけでやり合ってりゃいいだろうッぅ?

そうすればお前らは敵と一緒になって潰れていくッッッッっっっ!!!!!

そうなれば言葉こっちは平和になれるッッッ!!!


言葉、喋るんだったら暴力は捨てろッ!!!!!

一度でも暴力を振るったら、もうソイツに言葉は必要ないッッッ!!!!

暴力するんだったら、

お前も、同じ言葉が通じない暴力でズタズタにされるだけだッッッ!!!

平和になってからなッッッ!!!

どっちがいい?選べッッ!」


「……詫びれば……いいのか……?」


「謝罪だァッ?

謝罪するぐらいなら、その(けん)をとっとと捨てろッ!

それで開始ゴングだッ!


切り刻んでやるよォッ!!!

傷が(死な)ないままなァっッッ!!!

そして死なせないッ!


首を刎ねた後で生かしてやるよッ!

生きる生の晒し首にしてやるよォッッッ!!

喋る生首にさせてやるッッッ!!


首と胴体が離れてもッ!

そこでもまたさらに胴体が動かせるんだッッ!!!


不思議な感覚だぞォっ?


お前は黙って苦しんでいくッ!!!

無傷なままのッ!

痛みだけでなッッッ!!!!!


不治の病に犯されたまま……っ、

平和の中で、

死ねない生き地獄を魅せてやるッッッ!!!」


 矛盾に怒鳴る昇が獅子を睨んで宣言する。


「……ぐッ……」


 痛みが……また走った。


「なんだよ。

痛さでまともに話も出来なくなったかッ?

だったら治してやるよッ。

ほらよッ」


 喋る昇が、

 手元に残った剣を握り、獅子に向かって、おまじないのように斬り払いを放つ。


 すると唐突に、

 痛みが引いた。

 出血の勢いも次第に弱くなっていく……。


「……な、なにを……した……?」


幻痛症ファントムペインを解除しただけだよ。

あと造血魔法ブラッディスもな。

お前らには、それらをかけていただけだッ。


それを、大ケガしたみたいに大騒ぎしやがってッッッ!!!!


人の傷も治せねぇなら(・・・・・・・・・・)

最初っから戦争なんてしてんじゃ(・・・・・・・・・・)ねぇ(・・)よッッッッ!!!」


 ……これがタネ明かし。

 必要以上に描写はしたが……、

 著者ワタシは、また利用規約違反をしてしまったのだろうか……?


「げ、幻痛……?」


「そうだよッ!

出していた血は、

お前の血を魔法で増やしただけなのを皮膚から垂れ流していただけだよッ!

単なる視覚効果を目的とした魔法だッ!

それ以上の意味はねェッつーのッ!」


「ならば、双鼠座(ジュヒチ)射馬座(ケウロべ)も我と同じように……ッ」


 戻してくれるのか?

 そんな獅子の希望はすぐに打ち砕かれる。


「しねぇよッ!

てめぇの仲間はッ!

第二ここにいる間は一生、死なねぇまま苦しんでろッッッ!!!!」


「お、お前っ……!」


「なんだよ?それがイヤなら自分で治せっ!

でもさ?

自分の傷を治すぐらいだったら、敵の傷を治すよねッ?

イヤだろ?

平和になった後で、回りのヤツラから『人殺しだ』なんて言われるのはさァっ?」


「戦闘中に、敵の傷を治す……ッ?」


「当たり前だろッ?

オレは戦争で人を殺すのなんかは死んでもゴメンだッ!

戦争が終わった後で、平和になったら、

敵を殺して帰ってきたオレは、回りの皆から「人殺し」って言われちゃうだろうがァッ?」


「……それがイヤだから人殺しをしないッ?

そんな人を殺さないのが……戦争だとっ?

違うッ!

断じて、違うッッッ!!

それは違うぞォッッッ!!!!!

戦争とはッ!

人とヒトとが殺し合って苦しみ沸き立ちッッ!!!

血で血を洗うッ!

殺戮し合う代物だぁッッッ!!!!

そうだろうッッッ!!!」


「ハッ!

……やっぱり、それはっ!

おれの戦争じゃない(・・・・・・・・・)なッ!」


 ……この言葉を、……よく覚えておけ。


「な、なにぃっ?」


 呻る獅子が、怒る昇を見て毛を逆立てる。


「それはオレの戦争じゃない(・・・・・・・・・)ッ!

残念だが、

お前の言ってる叫んでる戦争は、

完全にオレの戦争じゃぁ、ないんだよなッ!


オレの戦争は……、

人が死なない戦争ッ!

それだけだッッッ!!!!!!」


 昇は、戦争に対して(・・・・・・)拒否権を行使する……ッ。

 よく覚えて置け、常任理事国。


 これが……『拒否権(・・・)』の真の使い方だ……。


 『それは、自分の平和ではない(・・・・・・・・・)

 『それは、自分の戦争ではない(・・・・・・・・・)


 この第九条を使う半野木昇は、

 ただそれ(・・)だけしか、しないのだから……。


「敵を殺さない戦争の、それのどこが戦争なのだッッ???」


 だが、そんな当然な疑問も、

 逆に不可思議な疑問を浮かべている半野木昇には届かない……。


「……えッ?!

あれッ?

おかしいなぁ?

お前らって『第六』だろ?

第六世界っていう、生物の体を一番の得意学問としている世界なんだろッ?


だったら……『食物連鎖(・・・・)』ぐらい基本中の基本だろォッ?


そんなんだったら、

戦争中に別に『敵が生きていたって、何も問題はない(・・・・・)』ってことぐらい分かるだろォッッッ???!!!!」


「……な、なに?

食物連鎖では、『戦争中に敵が生きていても何も問題がない』……だとっ?」


 初めて耳にする言葉に、

 生物の体と仕組みを知り尽くしているムーの住人が、狼狽えながら茫然と呆ける。


「……うんっ?……、

当たり前だろうが?

弱肉強食が基本中の基本の『食物連鎖』の中ではッ!

『別に戦争中でも、敵は生きててもいい(・・・・・・・・・)』だろ?


……ん?

……ぅんん?……、

あれェ?

……お前らって……、ひょっとして……アレ(・・)か?

気付いてねぇ(・・・・・・)の?

食物連鎖(・・・・)の一番基本的なこと(・・・・・・・・・)……ッ!

それに今も全然、全く気付いてなくて、分かってねぇのッ????


……あっ……!

あーッ、それでかッ!

それでこうなった(・・・・・)のかッ?


だから、こうなったのかぁッ!


ーあ、

あー、そう。

そうなの。そうなんだ……。


……ま、それなら、それでもいいやッ!


だったら……、

このままッ!

何も分からないまま、

ここで黙って……、苦しんでいけッ」


 ユラリと剣を握って、獅子に忍び寄ろうとした時……。


 彼方から、

 波の音(・・・)がした……っ。


 遠くからザザザザ、と白波を立てて、


 高い空中の中を、

 白い波立つ、さざ波の姿が上から下へと渦を巻き込みながら、

 昇たち目がけて押し寄せてくる……ッ。


 それは……、

 津波(・・)


 この時期の……あの津波(・・・・)だった。


 あの津波(・・・・)が、背後の山陰、街並みの地平線の上から、

 空中に立つ昇たちへと押し迫ってくるッ。


「ア、海鯨座アクエリアスッ?」


 獅子が叫んだ方角は、津波が押し寄せる遥か向こう側、

 そこにいる誰かに向かって吼えていた。


 それを黙って、

 振り向いて……、

 津波を見つけた少年は剣でもってそれを一閃虚空に振り払う。


「……なっ……?」


 剣を横一線に振り斬って、

 迫りくる津波を……掻き消した(・・・・・)……。


 規模はおそらくM9(・・)

 マグニチュード9級(・・・・・・・・・)の地震による空中から迫ってくる巨大な津波……ッ。


思い出したか(・・・・・・)……?〟


 だが……、

 それを少年は、剣で容易く掻き消した(・・・・・・)……ッ。


 ……それは『完全な防災』であり……、

 または、

 虚構による、


 現実への限りない……、


 …………侮辱。


「……へぇ……」


 少年の口元が、嬉しさ(・・・)で吊り上がる……。


 巨大な空の津波を造って放ったのは、さらにその奥にいる……、

 巨大な白鯨……。


 その巨大なシロナガスクジラにも似た大白鯨が、

 彼方の空に漂いながら、

 優雅に、獅子と対峙して立つ少年を睨んでいる……。


「こ、小僧ッ!

今の攻撃は我々の本意ではなぃッ……ッ……!」


 慌てて弁解しようとする獅子の醜さも……、

 今の昇には聞こえなかった。


「……いい……っ。

イイ(・・)なッ。


そういう、やり方もアリだよねッ?


いいよ?

今のは大目に見てやるよッ!」


 歓喜するッ!

 少年が再び、世界を敵とするッッッ!!!!


「……聞こえている?

現実そっちの人たち?」


 ……だそうだ?

 現実そちらで、

 こんな下らない酷すぎる文を今も読んで下さっている、そちらの諸君?


「いきなりだけど……、警告しておくよ?

今のうちに、

今まで、この『地球転星きょこう』で説明してきた設定は確実に!

ここで完全に完膚なきまでに否定しておくことだッッ!!!!!


早くしろよ?

間に合わなくなる(・・・・・・・・)よ?


この虚構の設定を、このまま、

そのままにして放置しておくと……、


すぐに『取り返しのつかないこと』が、現実そっち起こる(・・・)ッッッ!!!」


 急げ……。


「これはもう警告じゃない……。

宣告だッ。


急いでよ?

本当に間に合わなくなるよ?


()が、いつの日(・・・・)か……分かるよね?

もうすぐ、さっきのような『津波の日』がやってくる……ッッ!!!!」


 ……そして……、


「その後に、『もう一つの日』も控えている……ッ!」


 ……その日とは……、


「『地球転星ボクたち』はね?

既にアインシュタイン(・・・・・・・・)を超えているッ!んだよッッッ?!!!」


 その人の……いったい生まれた月日はいつ(・・)だったか……?


「急ぐんだッッ!


この虚構では、今まで一体、何を(・・)説明してきたのか?


それを現代いま現実そっちの理論で、今の内(・・・)に完全に否定しておかないと……、

大変な事になるよ?

取り返しのつかないことが絶対に起こるッッッッ!!!!


急げよッ?


否定しなくちゃいけないモノは分かっているよね?


・マクスウェルの悪魔(熱力学第二法則の破れ)。

・そのマクスウェルの悪魔を喚び出す召喚実験(詳しくはここでは述べない)。

・非局所的な『隠れた変数理論』ッ。

・ビッグバンの原理。

・水が第二種永久機関である説明。

・光合成による『人の動きの真実』

・ヨウ素デンプン反応を根拠とする、植物にも動物と同じ『魂』があるッ!という考察ッ!

・過去と未来の因果関係を供述する『万物の理論』ッ!!!

・光よりも速いもの。

・今も、絶対零度が下がっているその理屈……。

・否数学の『否数法』


これら全部を……否定して見せろッッッッ!!!!!!」


 覗く昇が、

 著者ワタシだけを除いた、

 現実の貴様ら(・・・・・・)を睨み罵り、煽り立てるッ!!!!


 煽って挑発して、意味不明な反抗で誘導するッッッ!


「早くッ!

否定しろッッッ!!!!!

今すぐにッッッ!!!

完膚なきまでにッッ!!


この虚構を虚構として永遠に葬り去れっッッッ!!!!!


……いえ……、

葬り去って……下さいッ!

お願いしますッッッっっっ!!!


べつに簡単でしょう?

今、現実そっちで、

全ての人々や、

中学二年のぼくが勝手に独断と偏見で恨んでいるIQ200や180の天才科学者の人たちでさえもが信じている『不確定性原理』とかいうのを使って、

この架空虚構ぼくたちの設定を、完全に論破して否定すればいいだけですッ!


すぐに感想欄に書いて下さいッッッ!!!!


難しい数式を使っても構いませんッッ!!!!


それは、

別に

このぼくっていう半野木昇という人物を納得させる為にするんじゃないんですッ!


あなた方が自分で納得できている現実の実際ある法則理論でッ!

この虚構の設定をッッ!!!

今ある現実の法則理論だけで、完全に打ち破りッッ!!

否定するんだッッッ!!!!!


説得されるのは、あなた方自身の『心』なんだッッ!!!


それが出来ないと……起こりますよ?

取り返しのつかないことがッッッ!!!!


まさか、この虚構の設定なんかは少しも信じてなんかいませんよねッ?

自分が宇宙に(・・・・・・)記録されている(・・・・・・・)

なんて京が一にも微塵も微かにも思ってませんよねぇッ?

もしも、微塵でも信じていたら……、

少しでもこの虚構の設定を、現実での(・・・・)説得力で感じていたら(・・・・・・・・・・)ッッ……、


その納得している心が……取り返しのつかないことを起こしますッッッ!!!!

その『心』が起こすんですッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!


あなたたちが、それをやってしまう(・・・・・・・・・)ッッッ!!!!


虚構架空ボクたちが、それをさせてしまうッッッッ!!!!

させて見せるッッッっっっ!!!


だから早く否定してくださいッッッ!!!

急いだ方がいいですよッ!!!!


もう二週間もないですからねッッッ!!!!


完全否定かんそうをお待ちしていますッッッ!!!!


じゃあ、ここで……、

また(・・)

そっちの現実の人(あなたたち)を最大限に侮辱する一言を言っておきますよッ?


ぼくたちは既に……、


〝あの東日本大震災でさえも、取るに足らない災害(・・・・・・・・・)だッ!〟


と決めつけているッッ!!!〟


その為の、お話をします……。

次はね?

短編も出す予定です……。

その時刻にッ!


ぼくと、あなた方の大きな意識の『差』を教えて差し上げますよッ?


いつまでも、あんな災害(・・・・・)をいつまでも引き摺っているアンタたちではッ!

このボクに追いつくことはできないッッッ!!!


もう考える時間(・・・・・)はとっくに終わってる……ッッ!!!

終わってるんですよ?

もうとっくにッ!

『考える時間』はとっくに終わった(・・・・)んだッッ!!!!


もう、とっくに『答えを出してなくちゃいけない時間』なんですッッッ!!!


あんなコト(・・・・・)に、

いつまでも頭を抱えて縛られて、

まだ『考えること』しかできていない、あなた達ではッ!

到底、

それにとっくに既に『答え』を出しているボクには到底、追い付けないッッッ!!!!


名古屋(・・・)がッッッ!!!!!

その『答え』を、お見せしますッ!


ボクと、

アンタらとの『格の違い』と『認識の差』を教えてやるッッッ!!!」


 ……だから急げ、

 もう時間は残されてはいない……。


 否定して見せろッ!

 現実そちらの深い悲しみと絶望に怒りッ!

 途方に暮れるあなた方をッッ!


 さらに侮辱しッ!

 冒涜する!

 この虚構ワタシの最悪をッ!!!!


 現実という貴様らの、その礎にしている『科学理論』でッッッ!!!!!!


 感想かんぜん記述ひていしろッッッ!!!!!


 それができなければ……、


 たとえ今の世界が、

 どのように変わり、

 どのように動き、

 どのような平穏で希望な抗う『意思の答え(・・・・・)』を導き出していたとしても……、


 きっと、

 貴様たちは、自分の導火線(・・・・・・)に火を点けるだろう……。





【薦告!!】


 この今回の登場人物である半野木昇の発言は虚構であるとはいえ、

 我らが現実世界にとって『非常に重要』です。


 もし、少しでもこの虚構が記述している論理に『少しでも現実的な説得力』を感じておられる方は、

 絶対にこの虚構の設定を、『今ッ!ここ』で否定しておくことを絶対にお勧めいたしますッッッ!!!


 目安となる一先ずの期限は今年2019年の3月14日までです。


 それまでに!!!

 この虚構で記述されている内容は全てッ!否定した現実理論を確立しておくことを完全無欠にッ!!


 ここに、著者は強力威力に推奨いたしますッッッ!!!

 

 地球転星の短編や長編の感想欄に、その否定する論拠を、あらゆる方法でお書きくださいッッッ!!!


 今回の、この半野木昇の発言は、架空なモノとはいえ著者にとっても非常に危険なものとなっておりますッッ!!!


 その為ッ!

 どうぞ、よろしくお願い申し上げますッ!


 また……、


・今回の日本国憲法第9条の全文は全て、Wikipediaさまの文章より抜粋させていただきました。



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