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ペンギン

作者: くじら

こんにちは!くじらです!このページを開いて

くださりありがとう

ございます!!


私は散歩が大好きなので

、散歩の楽しさを

伝えたくて思いついた

お話を書きました!


よろしければ

感想などをお寄せ

ください!!








日々はただ単調に、

足早に過ぎるだけだ。








いつもの休日。だけど

特段、やることもない。

どこかに行くのも億劫。


しかし部屋に

引きこもるのはなんだか

負けのような気がして、

僕はふらりと外に出た。


空は憎たらしいほどに

晴れていて、景色も

いつもと変わりなくて、

僕はため息をつく。




正直、変化のない日常に

嫌気が差していた。




毎日毎日、職場と

自宅だけが行動範囲。

特に趣味も無いから

休日もこうして無為に

時間をもて余す。


ふらふら、だらだら、

意味も無く、あても無く

時間をどんどん

無駄にするばかりだ。




 そんな風に考えながら

歩いていると、近所の

小さな公園が見えてくる。




ブランコ、すべり台、

ジャングルジムに砂場、

そしてちょっと小高い

小山があるごく普通の

ありふれた公園。


僕はそこにあるベンチで

少し休むことにした。


公園には誰もいなくて、

遊ぶ者のいない遊具たち

も少し寂しげ。


ブランコは風に吹かれて

申し訳程度に小さく

揺れるだけだ。


しかし、ブランコを

揺らすその風は

あまりにも心地良くて、

僕は目を閉じてうつら

うつら、夢と現実の狭間

に落ちていく。






「ねえ…?」






不意に可愛らしい声で

呼ばれ、僕はゆっくり

目を開けた。


男の子が立っている。

身体のわりに少し大きな

肩掛けのカバンと大きな

スケッチブックを

持っているその子は、


髪の毛も、睫も

雪のように白く、

瞳は澄み切っていた。




なんて綺麗な……



「隣…座っていーい?」


「あ…ああ。いいよ?」



子どもに対して

「綺麗」だなんて…、


僕、ちょっとアブない

人じゃないか…!?


しかし隣にちょこんと

座ってスケッチブックを

開く男の子は

純粋に「美しい」。


僕は幻を見ているような気になった。



「ねぇ、おじさん。」


「え…っ!?…僕!?」


「うん、そうだよ。

おじさんはここに

何しにきたの?」



ああ…、この子から

すれば僕はもう

おじさんなのか…。

悲しい限りだ。



「何もないよ。ちょっと

休んでいるだけさ…。」



そう答えながら無意識に

何度目かの溜め息。

男の子はそんな僕を

不思議そうに

見つめてくる。


そのまま、少しばかりの

静けさが漂った。


男の子の雪色の髪は

陽の光を浴びて

輝いている。


彼は可愛らしく

足を揺らしながら

大きな翡翠の瞳で

あたりを見まわし…、



「あ!たからものだ!」



突然、声をあげて

ベンチから降りると

地面にあった何かを

拾い上げた。



「おじさん見て!

たからもの拾ったよ!」


「え…?」



男の子が誇らしげに

見せてきたのは

ビール瓶のフタ。


懐かしいなぁ…。

メーカーによって違う

フタのマークが魅力的で

、僕も子どもの頃はよく

集めていたっけ…。



「そうだ!僕の

たからもの、おじさんに

見せてあげる!」



男の子はカバンを

開けると、箱を取り出し

て中身を見せてくれた。


瓶のフタ、パチンコ玉、

ネジ、ボルト、コイン、

BB弾、きれいな石…



「おお…、これ、

ぜんぶ拾ったのかい?」


「そうだよ!まだある

から見せてあげる!」



次はちょっと大きめの

封筒。中にはいろんな

鳥の羽が入っていた。


最後に、男の子は小さな

瓶を大事そうに出した。



「わぁ…!」



中に入っていたのは、

無数のガラスの欠片。


誰かが投げ捨てて割れた

ような大きな欠片。


コンクリートに

埋め込んである小さな

色とりどりのガラス粒。


それらが瓶の中で

太陽の光を透かして

輝いているのだ。



「本当に

たからものだ…。」


「ね?すごいでしょ!!」



男の子は嬉しそうに

ぱぁっと無邪気な笑顔を

見せてくれた。


ああ…、この子は

魔法使いみたいだ…。


彼がたからものに

しているのは全て道端に

落ちているような物で、それも僕なら無視して

踏んずけたり蹴飛ばし

たりするようなもの

ばかり。


だけどそんなものが

彼の小さな手に乗る

だけで、


本当のたからものに

見えたんだ。



「さっき拾った瓶のフタ

、おじさんにあげる!」



彼は僕にビール瓶の

フタをくれる。


その「たからもの」は

僕の手に乗った瞬間、

ただのフタになった。



「ありがとう。」


「どーいたしまして!」



男の子の笑顔は、

太陽に負けないくらい

輝いていた。




「あ!ペンギンだ!!」


「ペンギン!?」




男の子は空を指差して

しきりにペンギンがいると言うが、僕には

見えない。


青い空には綿雲が

ふわふわと漂うだけだ。



「ペンギン

とんでっちゃう!

僕、追いかけるね!!」



男の子はひょいと

カバンをしょいなおし、

スケッチブックを抱える

と軽やかに駆けていく。


かと思いきや公園の

入り口で不意に足を止め




「ばいばいおじさん!!

また会おうね!!」




振り返って僕に手を

振ってあっという間に

行ってしまった。


残された僕はビール瓶のフタを手にしばし

ぼーっとする。


男の子がいなくなった

公園にはまた静けさが

戻った。



なんだか夢を

見ていたようだなぁ…。


不思議な子だった…。



僕はもう一度、

空を見上げてみたが

やはりペンギンは

いなかった。


だけどなぜか、景色が

さっきより色鮮やかに

見えた。



さて、休憩は終わりに

してもう少し歩こう。


たからものを探しながら

歩くのもいい。


きっと綺麗なものが

たくさん見つかるだろう



思い起こせば、幼い頃

は外に咲いてる花や草を

夢中で観察した日も

あった。


ビール瓶のフタが

たからものだった

日もあった。


アリと、カエルと、

でんでん虫と、

おしゃべりした

日もあった。


空に浮かぶ雲はいつ

だって動物園に見えた。


幼かったあの頃は

毎日が楽しくてしかたが

なかったんだろうな。


毎日が変化の連続

だったんだろうな。




「あの子みたいに

笑ってたのかな…。」




僕はスクッと立って

歩き出す。


今は、何もかもが

輝いて見える。


忘れかけていたあの頃の

感覚を取り戻せば

もう無為な時間を過ごす

ことだってない。


僕が忘れてるだけで

きっと毎日が「変化」に満ちあふれてる。






それを思い出せば、

僕だってあの大空を飛ぶ

ペンギンに出会える

かもしれない。






−−−了





作品を読んでくださり

本当にありがとう

ございます!!

書いている私だけが

楽しい自己満足な

小説でしたね…(汗)


散歩をすると何気ない

発見がたくさんあって

楽しいですよ~っていう

ことが伝われば

嬉しいです!!


誤字脱字などがあれば

指摘をお願いします。


感想、評価、どんどん

お寄せください!!


ありがとう

ございました!!!




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