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ヨーグルト

 暑くなってきた、と思う。


 天気予報を見れば一週間の最高気温は常に三〇度近くなっているし、先々週に買った扇風機もいつのまにかフル稼働。先日はついに冷房もつけてしまった。そしてなにより、喉がビールを求めている。帰ったらグラスを水にくぐらせ、冷凍庫に入れておくとしよう。

 このように暑くなってくるとビールの消費量があがる反面、熱いものを食べたくなくなるというのは、自然の摂理だろう。特に朝、ただでさえ食欲がわかない状態で、部屋の中は蒸し暑いとなれば、なおさらだ。


 以前も書いたことがあるかもしれないが、ぼくの朝食はパンだ。それに卵とか、ハムとか、キャベツとかを、パンと一緒にオーブンで焼いて食べる。焼いているんだから、それらのものは当然のごとく、熱い。


 そう、熱いのだ――ゆえに、食べたくない。


 そんなわけで、用意する手軽さも含め、最近の朝食はもっぱらヨーグルトである。


 皿にシリアル(まえはフルーツグラノーラ、いまはオールブラン)を盛り、ヨーグルトをかける。わずか一〇秒で完成だ。時間のない朝にもってこいといえるだろう。そして、ヨーグルトに頼りすぎるあまり、起きる時間はさらに遅くなり、時間はもっとなくなる。悪循環だ。


 だが、このヨーグルトとシリアルのコンビは、それ以上にいいことづくめだったりする。


 まず、前述したように、わずか一〇秒で用意できるその手軽さ。


 他にも、ヨーグルトという存在が持つ、元々の食べやすさがある。


 それは涼しげな白色であり、火照った体を内側から冷やしてくれる冷たさであり、食欲を刺激する心地よい酸味である。暑苦しい要素がまったくもって見つからない。なんとも爽やかなやつだと思う。


 さらに、食感の良さもある。


 ヨーグルトだけだと得ることのできない食感も、シリアルが入ることでカバーされる。ザクザクとした歯ごたえは、陸上選手が足の裏で感じる大地の重量感のごとく、次の一噛みをうながすことだろう。


 そのうえ、栄養面も信頼がおける。


 ヨーグルトは乳製品だ。乳製品ということはつまり、体にいいということだ(思考停止)。さらにヨーグルトは発酵食品だから、さらに体にいいということだ(思考停止)。

 もちろん、体にいいとはいっても、ヨーグルトだけでは栄養が偏ってしまうかもしれないが、シリアルが入ることで、さらにさらに体にいいということになるだろう。


 アレンジも楽しむことができる。


 アレンジの基本は、やはりジャムだ。友人のひとりが「ジャムはスプーンを使うのが面倒くさい」という、もはやなにだったら面倒ではないのかと訊き返したくなるような発言をしたことがあるが、そんなひとのためにはフルーツソース的な商品もある。注げばいいだけだ。


 あとは、ハチミツや、フルーツ缶だろうか。


 ハチミツについては、円を描くようにかけたあと、混ぜずにそのまま食べるのがぼくは好きだ。甘いところ、酸っぱいところが適度に分散し、味の変化を楽しむことができる。ちなみに、ハチミツをかけたあとに混ぜると、ヨーグルトは驚くほどなめらかになる。あれはいったいどういう効果なのだろう。


 フルーツ缶がある朝は、幸せである。フルーツ缶を買っておけば、あなたはワンランクアップした優雅な朝を迎えることができるはずだ。もちろん、それにより手間が増えることはない。いつもよりも一回だけ多く、スプーンを往復させればいいだけだ。


 ヨーグルト自体の変化を楽しむことも一興である。


 スーパーに行けば、ヨーグルト売り場には多くのヨーグルトがひしめきあっている。そこから好みのヨーグルトを探すことも、面白いのではないだろうか。


 ぼくがいつも買っているのは小分けになっているものではなく、大きいサイズのものだ。だいたい一〇〇円くらいから、高いものだと二〇〇円オーバー、といった価格帯である。

 ゆえに、食べ比べするのにもコストが気にならない……といいたいのだが、その五、六〇円を気にしてしまう器量の狭さである。


 言い訳をさせてもらうならば、一二二円でもじゅうぶんに美味しいブルガリアヨーグルトが悪い。そこらへんの価格帯だとブルガリア、ビヒダス、ナチュレ恵あたりがあるが、個人的な意見だと前置きをさせてもらったうえで、ブルガリア、ナチュレ恵、ビヒダスの順番でオススメしたい。

 ブルガリアはとにかく酸味のバランスが絶妙である。一方、ナチュレ恵はまろやかな口当たりが特徴だ。ビヒダスは……薄い(小声)。


 と、このように、ひとえにヨーグルトといっても、無限の可能性を秘めていることに疑いの余地はない。


 今年の夏は、その白さにあう、あなた好みの色を見つけてみてはいかがだろうか。


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