第39話 夏休みだっ!!
〜〜〜〜神楽寺家〜〜〜〜
〜〜〜〜リビング〜〜〜〜
あの母さんと若菜さんに惨敗した日から数日、と言うか、次の日から始まった学生にとっての鬼門、“期末テスト”を切り抜けサクラ学園は夏休みに突入しました。
正直に言うと、まったくテストの事を知らなかった俺は、テスト期間中、不眠不休で勉強して病院にお世話になったりしましたが・・・・まぁ、いつものことです。
そんなわけで、夏休みに入り、長期休日をエンジョイしてい・・・・・
「うぅ〜腕痛いよぉ〜指痛いよぉ〜眠いよぉ〜」
「頑張りなさい摩耶!!負けちゃ駄目よ!!」
「委員長ぉ〜〜!?此処教えてぇ〜〜!!」
「またですか亜耶さん!!私だってまだまだあるんですよ!!」
「なぁ〜〜〜!!!終わらねぇ〜〜〜〜!!!!!」
「・・・皆、もうちょっと落ち着いたら?」
「「「「「落ち着けるかぁ〜〜〜〜!!!!」」」」」
・・・ません!!ええまったく!!これっぽっちも!!
現在夏休み5日目思いっきり宿題を片付けています、それと言うのも・・・
「がんばってねぇ〜♪」
この母が原因です、あの後救護室に現れた母が・・・
〜〜〜〜回想中〜〜〜〜
『ってわけで雄ちゃんは母さんに1撃も当てられなかったわけだから、約束道理罰ゲームね♪』
『まぁ約束だから仕方ないけど・・・一体何させる気だ?』
絶対にろくでもないこと言われるんだろうな・・・。
『じゃあねぇ〜“私を後ろからギュッてしながらぁ「好きだよタマモ・・・愛してる・・・」って耳元で呟いて、そのまま私に甘い口付けを・・・』
『『『『だめぇ〜〜〜〜〜〜!!!!』』』』
『・・・頼む、それはやめてくれ』
息子に何を言ってるんだこの人、じゃないか・・・母は・・・
『むぅ〜、じゃあねぇ〜・・・あっ雄ちゃんの夏休みを私に頂戴♪』
『『『『『はいっ?』』』』』
『つまりね、夏休み中の雄ちゃんの雄ちゃんの行動を私が決めるの♪』
つまり学生の一年のうち一番楽しみにしていると言っても過言ではないイベントを奪う気ですか!?
『い、いや、それもちょっと』
『さっきのと2択よっ♪』
ま、マジですか!?
『拒否は・・・・』
『さぁどっち♪』
有無は言わせ無いぜ坊や的な笑みはやめてください。
『さぁ♪』
・・・・・・・・・・。
鬼め!! (キツネよ♪)
・・・・・・・・・・。
『・・・・じゃあ』
〜〜〜〜回想おしまい〜〜〜〜
まぁそんなわけで、夏休みを母に盗られまして・・・もう1つの方は人として選べませんでした。
ってなわけで、冒頭に繋がります。
「頑張ってねぇ〜♪」
「つうか何で、夏休みの宿題を5日で終わらせなきゃなんないんだよ!!」
そう、夏休み初日、母さんが『5日で宿題全部終わらせてねぇー♪』なんて、子供にお使いを頼むように言ってくれまして、今日はその5日目、最終日です。
「それは秘密です♪」
また恐怖を煽るような改心の笑みで応えてくれましたよ、この母は・・・
「なぁ〜美佳たちは知ってるんだろ?教えてくれよぉ〜」
「駄目よ!!間に合わなくなるから黙ってやりなさい!!」
やっぱり教えてくれないか・・・。
それはそうと、何故、罰ゲームと関係ないはずの美佳たちが一緒に宿題を頑張っているかと言うと・・・。
〜〜〜〜夏休み2日目〜〜〜〜
『そうだ♪』
俺が頑張って数学をやっているなか、グウタラしていた母さんがいきなり声を上げた。
『・・・何させる気だ?』
もう宿題のせいで瀕死状態の俺は恐々聞く。
『どうせなら美香ちゃんたちも呼びましょう♪』
言うが早いかメールを打ち出す母さん。
『はい、送信っと♪多分すぐに来るわよ♪』
ドンッドンッドンッ!!
雄二!!開けなさい!!
雄二君!!早く!!
ボクも行く〜〜!!
雄二さん!!逃がしませんよ!!
雄二〜お土産だよ〜
『ほら来た♪』
『早っ!!』
〜〜〜〜回想おしまい〜〜〜〜
ってな感じで母さんの謎のメールで速攻で現れ、そのまま一緒に泊り込みで宿題している。
それはそうと、サクラ学園の宿題は量がすごい、霊能系の教科があるせいなんだけど・・・1日分美佳たちより進んでるから少しはましだけどさ・・・。
「お・・・終わった・・・」
現在午後10時、何とか最後の読書感想文を仕上げ俺は机に倒れた。
「「「「え!?」」」」
「おめでと、雄二」
「流石は雄ちゃんね♪」
祝福してくれる2人は良いとして、美佳たちは何だ、そんなに俺が終わったのが気に食わんか・・・。
「お、終わっちゃったの?」
終わりましたよ、すべてね、5日間の成果だ!!悪いか!!
「ま、まずいですわ!!」
「残り2時間ですよね!!タマモさん!!」
「そうねぇ〜♪間に合うかしらねぇ〜♪」
「えぇ〜ん!!間に合わないよぉ〜!!」
「ま、摩耶落ち着いて!!まだ2時間あるんだから!!」
・・・なんか余計に慌ただしくなったな。
「何でだタッくん?」
タッくんは期末テストが1位だったから宿題免除らしく、ずっと根性を付けるための本『ザ・男』をずっと読んでいた、本のカバーを見た瞬間めっちゃ引いた。
「・・・明日になればわかるから、今は聞かないで・・・」
わかった、わかったから、そんなに泣きそうな顔するな。
「あっ雄ちゃ〜ん、明日出かけるから、準備しといてねぇ〜♪」
「何処行くんだ?」
「夏といえば!!な、場所よ♪楽しみにしててね♪」
成る程、つまり5日で宿題終わらせた俺へのご褒美だな!!美佳たちはまだ終わってないからこのままだと旅行に連れて行ってもらえない、だから焦っている・・・謎は解けたぜ!!
「そっかぁ〜♪何処行くんだろなぁ〜♪」
夏といえばだから・・・海?山?沖縄?ハワイ?・・・いいですねぇ〜♪ビバ・夏休み!!
(・・・幸せそうだけど、雄二?君は何回その期待に裏切られてきたんだい?何回泣かされてきたんだい?)
「ん?何か言ったかタッくん?ってなんで泣いてんだ?」
「いや何も言ってないし、泣いてもいないよ雄二・・・」
(雄二、君を救えない僕を許してくれ・・・あぁ、涙が止まらないよ・・・)
妙に涙を流す人が多い神楽寺家の夜はこうして流れていく・・・。
「「「「「えぇ〜〜ん!!終わんないよぉ〜〜〜〜!!!!」」」」