第32話 英雄の教え
〜〜〜〜〜控室〜〜〜〜〜
初戦を終えた俺達(俺だけだけど・・・)はスタジアムに設置されている控室に待機している。
「に、にしても雄二凄かったわねぇー」
「久しぶりにキレたからねぇ〜♪♪」
「ゆ、雄二さん凛々しかったですわ」
「いやいや御恥ずかしいかぎりで♪♪」
「「ゆ、雄二(君)?」」
「どうしたアヤマヤ?」
(ニッコリ♪)
「「はうっ!!」」
さっきから皆俺の顔を見ては目を逸らす、失礼な奴らだ・・・
「雄二、取り敢えず笑うのやめてあげなよ」
「むっ、何でだタッくん?」
ストレスを解消できたこの喜び、笑顔で表現して何が悪い。
「「「「「・・・はぁ」」」」」
何故ため息を付く皆よ。
「まぁ、雄二だから仕方ないか・・・大変だね皆」
「「「「・・・うん」」」」
「・・・お〜い、なんか皆で俺の事を馬鹿にしてないか?」
「それより、次の対戦相手なんだけど・・・」
なんか諦めたような顔をした皆・・・俺なんかしたか?
「取り敢えず先鋒は・・・」
ガチャ!!
タッくんが次の試合の打ち合わせを始めようとしたその時、勢いよく開かれた控室のドア、正体は・・・
「雄ちゃ〜〜〜ん♪♪」
やはり奴だった。
抱きっ♪
「雄ちゃん♪雄ちゃ〜ん(ハート)♪♪」
「ぬぁ〜!!離れろ母さん!!くっ、苦しいって!!くっ、首絞まっ・・・!?」
「「「「いいなぁ〜タマモさん・・・」」」」
「雄二、死ぬなよ・・・」
「んで、何しに来たんだ?」
何故か試合以外でかなりのダメージを受けた俺。
「ご褒美よ♪ご褒美♪約束したでしょ〜」
あれは約束と言うのか?
「まぁ、なんかくれるって言うなら貰うけど」
“貰える物ならば取り敢えず貰っとけ、いらなかったら捨てりゃいい”by親父
ありがたい“英雄”の言葉である・・・
「っで、何くれるんだ?」
「うふふぅ〜♪私をア・ゲ・ル(はぁーと)♪」
あぁ〜うん・・・まぁ、有りがちだけど、母親が言う事じゃあ無いね、うん。
「「「「ダメェ〜〜!!」」」」
あぁ、美佳達も本気にしないの、いつもの冗談なんだから・・・多分。
まぁ冗談でもやり過ぎだよな、母さん・・・(ニヤッ)
「わかったよ母さん、有り難くいただくよ」(ニコッ)
「「「「雄二(さん)!?」」」」
まぁ、見ときなさい皆。
「あぁ、雄ちゃん・・・やっと母さん、いえ、私を・・・」
頬を朱くしながら体をくねくねさせる母さん・・・
「・・・それでは・・・・雄ちゃ〜〜〜ん♪♪」
母さんが勢いよく俺に飛び付こうと地を蹴り跳んだ。
「ニヤッ♪」
瞬間、隠し持っていた袋を取り出し・・・
バサッ!!
広げた袋に飛び込む母さん。
捕獲!!
「妖狐ゲットだぜ!!」
ゴメン一回だけ言ってみたかったんだ・・・
「ゆ、雄二?」
バスッ!!バスッ!!
「何だ美佳?」
バスッ!!バスッ!!
「な、何してんの?」
バスッ!!バスッ!!
「捕獲ですが・・・何か問題でも」
バスッ!!バスッ!!
「は、母親なんだよね?」
バスッ!!バスッ!!バスッ!!バスッ!!
「ん〜たまにはお仕置きが必要かなって思ってさ」
バスッ!!バスッ!!バスッ!!バスッ!!
「お、お仕置き?」
バスッ!!バスッ!!・・・・・・・クォーン!!
「まぁ、気にするな美佳、ほら皆も固まってないで、次の試合始まるぞ」
「「「「「う、うん(ハ、ハイ)」」」」」
クォーン!!・・・クゥーン・・・クゥーン。
「・・・母さん、反省してる?」
恥ずかしがっちゃって雄ちゃん♪もぉ〜かわいい♪♪
「皆先に行っててくれ・・・」(ニコッ)
まったくこの“狐”は(笑)
「ゆ、雄二くんは?」
「ん?大丈夫だよ摩耶、今こそ親父の教えを実行する時なんだ」
「そ、そっかぁ〜」
(教え?)
「じゃ、じゃあ先に行くね雄二」
「おう・・・あっ、美佳聞きたい事あるんだけど」
「な、何?」
「今日ってさ、何のゴミの日だっけ?」
「燃えるゴミの日・・・って雄二!?」
「燃えるゴミの日かぁ、まぁ良く燃えるでしょ♪」
“貰える物ならば取り敢えず貰っとけ、いらなかったら捨てりゃいい”
だよな親父♪
「「「「「ゆ、雄二ぃ〜〜〜!!??」」」」」